
受取人の不在時にヤマト運輸が発行する「ご不在連絡票」にそっくりなチラシを配布していたとして、矯正歯科サービスを運営する会社「Oh my teeth」(本社・東京都)が謝罪した。「通院ご不要連絡票」と書かれたチラシは、ヤマト運輸の「ご不在連絡票」と形や色遣い、文言などのフォーマットがそっくり。著作権に詳しい弁護士は「著作権法違反に当たりうる」と指摘する。
発端は、郵便物内にチラシを見つけた東京都内の男性が、X上に「Oh my teeth」のチラシを投稿したことだった。
ヤマト運輸も投稿をきっかけに認知。「弊社の『ご不在連絡票』と誤認させる内容。弊社の登録商標や知的財産の無断利用は一切認めておりません」として、Oh my teethに配布中止を申し入れ。Oh my teeth側は3月6日、酷似を認めてホームぺージ上で謝罪。「ご不在連絡票と紛らわしく迷惑である旨のお問い合わせを頂き、即刻配布を停止しております」とした。Oh my teethの過去のインタビューによると、少なくとも3年前から不在連絡票に酷似したチラシを使用していたとみられる。
デザイン使用料を請求可能
大阪などにオフィスを構えるAuthense (オーセンス)法律事務所の川崎賢介弁護士によると、今回の案件は著作権法違反に当たる可能性が高いという。
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「ヤマトのご不在連絡票は、黄色の部分やチェック項目などが独特なデザイン。一目見てヤマトのご不在連絡票だと分かるように作られています。そのため、ご不在連絡票は著作物と考えられます」と川崎弁護士。他人の著作物を基にコピーする「依拠性」、類似した著作物を作成する「同一性・類似性」の2点が認められるため、著作権侵害が成立するという。
商品の模倣であれば、侵害した者の売り上げ金を基に損害金が推定される。しかし、今回のチラシの場合は業態も違うため、みなし損害は難しい。「一般的には、デザインの使用料を支払って使うのが基本。使用期間や配ったチラシの枚数などから具体的な数字が出していきます」とした。
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
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