05年の金鯱賞で3連覇を達成したタップダンスシチー(05年5月撮影、ユーザー提供:やっさんさん) 今年の金鯱賞(4歳上・GII・芝2000m)ではプログノーシス(牡7、栗東・中内田充正厩舎)が3連覇を狙う。そこでこの機会に03年から05年の同レースを3連覇したタップダンスシチーの偉業を振り返りたい。
タップダンスシチーは父Pleasant Tap、母All Dance、母の父Northern Dancerの血統。デビュー当初は下級条件に留まっていたが、5歳時に本格化。秋の朝日チャレンジCで重賞初制覇を果たすと、有馬記念で13番人気ながら2着に大健闘。6歳を迎え、東京競馬場リニューアル記念を快勝し、金鯱賞に向かった。上位伯仲の一戦、単勝5.8倍の4番人気だったタップダンスシチーは番手から向正面で先頭へ。そのまま直線に向くと内ラチ沿いで粘り、猛追したツルマルボーイを半馬身抑えてゴール。2つ目の重賞タイトルを獲得した。
前年秋にジャパンCを制したタップダンスシチーは7歳を迎え、金鯱賞から始動した。GI馬として単勝2.3倍の1番人気に推され、好位から4角先頭の横綱相撲。最後は伏兵ブルーイレヴンに詰め寄られたものの、アタマ差凌いで押し切った。レース史上初となる連覇。勝ち時計の1分57秒5は、98年の金鯱賞のサイレンススズカの1分57秒8を上回るコースレコードだった。
そして8歳時も始動戦は金鯱賞だった。単勝1.4倍の1番人気に推され、大外10番枠からハナへ。マイペースの逃げから上がりをまとめ、2着のヴィータローザに2馬身半差をつける大楽勝を収めた。56〜58年の鳴尾記念のセカイオー、93〜95年のセイユウ記念のシゲルホームランに続き、史上3頭目となるJRA平地同一重賞3連覇を達成。結果的にこれが最後の勝利となったが、ファンの記憶はもちろん、記録にも残る名馬として、その雄姿は語り継がれていくはずだ。