信者だった男性2人の入水自殺をそそのかしたとして占師の女性ら3人が逮捕された事件で、大阪府警が容疑者の関係先から押収したパソコンを分析した結果、男性が亡くなった直後に作成された遺書が残されていたことが明らかになった。自殺教唆容疑などで逮捕された占師は「男性らが勝手に自殺したように見える文章を作成した」と供述しており、府警は事件の発覚を免れる偽装工作だったとみて調べている。
逮捕されたのは占師の浜田淑恵容疑者(62)=大阪府河内長野市=のほか、その信者でいずれも無職の寺崎佐和子(47)=同=と滝谷奈織(なぽり)(59)=東京都中野区=の両容疑者。
浜田容疑者は2020年7月下旬以降、いずれも神戸市内に住む60代と50代の男性2人に「命を捨てて自分の交際相手から悪いものを取り除く」などと言って自殺を決意させ、和歌山県広川町の海で溺死させた疑いが持たれている。浜田容疑者は「創造主」と名乗り、信者だった2人を精神的に支配していた可能性がある。
2人の遺体は20年8月1日、広川町の海岸で見つかった。この日に死亡したとみられる。当初は和歌山県警が2人が死亡した経緯を捜査していたため、浜田容疑者らは県警に60代男性名義の遺書を提出。県警は事件性が低いと判断していた。
府警捜査1課によると、浜田容疑者らが25年1月、2人と別の男性に対する恐喝容疑で逮捕されたことをきっかけに今回の事件が浮上。府警が関係先を捜査する過程で、寺崎容疑者の自宅から押収したパソコンを分析した結果、提出されていた遺書と同じ文面のデータが残されていた。
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文面の日付は2人が亡くなる直前の「7月30日」と記載されていたが、作成日は8月3日ごろだったことが判明。「(もう一人の亡くなった男性と)旅立つ私をお許しください」などと記されていた。
寺崎容疑者は遺書の偽装への関与を認めているという。府警は2人が自殺に追い込まれた詳しい経緯を捜査している。【林みづき、斉藤朋恵】
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