大谷翔平フィーバーの陰に隠れて...サッカー日本代表の8大会連続ワールドカップ出場決定が目前なのにワクワクしないわけ

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2025年03月13日 07:10  webスポルティーバ

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 日本代表のワールドカップ出場が決まるまで、カウントダウンは残りわずか。まもなく(3月20日、25日)アジア最終予選2試合が埼玉スタジアムで行なわれるが、そこでゼロまで数え終わる可能性は、限りなく100%に近い。

 8大会連続となる、ワールドカップへの出場権獲得である。

 だが、そんな節目のタイミングを目前に控えた現在、日本代表が置かれた状況をどれだけの人が知っているのだろうか。日本代表に対する世間の注目度は、お世辞にも高いとは言い難く、要するに、盛り上がっていないのだ。

 幸か不幸か、ほぼ時を同じくして日本で行なわれるMLB開幕戦、ドジャースvsカブスの試合と比べてみれば、明らかだ。

 観戦チケットをめぐっては空前の争奪戦が繰り広げられ、転売価格はうなぎ登り。大谷翔平をはじめとする出場選手の動向は、まさに一挙手一投足が連日各メディアで報じられている。

 ひとたびワールドカップ最終予選に目を向けてしまうと、あまりの落差に寂しさを覚えてしまうほどだ。

 もちろん、仕方がない側面があることも確かだ。

 冒頭に記したとおり、日本代表のワールドカップ出場は、今回も決まれば8大会連続。かつては夢の舞台だった大会も、すでに30年近くにわたって出続けてしまえば、そこに特別な感情が生まれないのも無理はない。

 ワールドカップに出場するのは当たり前。本当に注目すべきは、出場した先にどんな成績を残せるのか。出場できるか否かにドキドキしている人は、もはやほとんど存在しないと言っても言い過ぎではないだろう。

 ましてワールドカップ本大会出場国が32から48へと増加(アジア枠だけを見ればほぼ倍増)したとあっては、しらけた空気さえ漂う。アウェーゲームに関しては、地上波、BSを問わず、テレビ放送すらされていない現状が、それを示している。

 とはいえ、そんなアジア最終予選も、幸いにしてホームゲームはほぼ満席の状態が続いている。ワールドカップ出場がかかった試合への注目度だって捨てたものじゃない、のかもしれない。

 だが、そこにあるのは最終予選への注目度というよりも、ヨーロッパ組の凱旋試合へのそれではないだろうか。つまり、多くのファンのお目当ては、ワールドカップ出場がかかった試合を見ることではなく、三笘薫や久保建英らを生で見ることではないのか、という意味だ。

 かつての日本代表は、その多くがJリーガーで占められていた。彼らのプレーを生で見たければ、週末に日本のどこかのスタジアムに足を運べばよかった。

 ところが、日本代表にはほぼヨーロッパ組しかいなくなった現在、彼らのプレーを日常的に見られるのは、ネット配信を中心とした試合映像くらい。生で見る機会は、ほとんどなくなった。

 だからこそ、日本代表戦は貴重なチャンスなのだ。

 だとすると、それが親善試合であろうと、最終予選であろうと、大きな違いはないのかもしれない。客席が埋まるのも、日本代表の人気というより、ヨーロッパで活躍する選手個々の人気によってかろうじて支えられていると言っていいだろう。

 日本が初めてワールドカップに出場した1998年大会当時のアジア最終予選、それに続く第3代表決定戦は、国民的関心事という表現が大げさではないくらい、大きな注目を集めた。多くの人たちが、まさに固唾をのんで試合の行方を見守っていた。

 だがその後は、回を重ねるごとに注目度が下がり、今やさしたる話題になることもなく、何の緊張感もないままに、まもなくワールドカップ出場が決まろうとしている。

 それは、日本代表が強くなったがゆえの変化ではある。ファンが求めるものの水準が上がった、とも言えるだろう。

 しかし、どんな理屈を並べようと、結果として日本代表のワールドカップ出場は、おそらく大谷フィーバーが冷めやらぬなか、人知れずひっそりと決まることになりそうだ。

 あなたは、ドジャースvsカブスの第2戦翌日、日本代表のワールドカップ出場が決まるかもしれない試合が行なわれるのを知っていますか。

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