14日に最終日を迎えたJR根室線東根室駅=13日、北海道根室市 鉄道駅として日本で最も東にあるJR根室線の東根室駅(北海道根室市)が14日、営業最終日を迎えた。地元住民や道外から訪れた鉄道ファンからは「ショックだ」「ありがとうの気持ちでいっぱい」などと別れを惜しむ声が聞かれた。
東根室駅は1961年、近くの高校への通学用に設置された無人駅。同線は終点の根室駅からいったん東に向かった後、大きくカーブして南下するため、途中にある東根室駅が日本最東端となっていた。
市内の鉄道愛好家らでつくる団体代表の鈴木一雄さん(52)は、駅舎も屋根もない、木製プラットホームだけの「独特の趣」が魅力だったと振り返る。桜の花が駅を彩る春は草むしりを、冬は通学の高校生のために雪かきをするなど、無人駅を陰から支えてきた。
「子どものころから親しんできた駅なので、廃止はさみしいが、ありがとうの気持ちでいっぱい」という鈴木さん。14日は乗客に記念のポストカードを配布するほか、夜の最終列車などではメンバーや地元住民らと横断幕を掲げ見送る。
昨年12月に廃止が発表されて以降、同駅を訪れる鉄道ファンが増えた。愛知県安城市から2日かけて列車を乗り継いで来たという栫良輔さん(44)は「ずっと来たかったので、廃止発表はショックだ」と話した。