国立がん病院元医長、無罪主張＝医療機器巡る収賄―東京地裁

　国立がん研究センター東病院（千葉県柏市）の医療機器使用で便宜を図った見返りに、賄賂を受け取ったとして収賄罪に問われた元肝胆膵（すい）内科医長、橋本裕輔被告（４８）の初公判が１４日、東京地裁（向井香津子裁判長）であり、同被告は「賄賂だと思いません」と無罪を主張した。

　検察側は冒頭陳述で、橋本被告が医療機器メーカー「ゼオンメディカル」（東京）との間で、胆管治療用の同社製品を巡り、使用感などを調査する契約を結んだと指摘。調査実態はないのに、１回の使用につき１万円を謝礼として得ていたとした。

　弁護側は、調査に関する報告書を作成しており、同社からの金銭は契約に基づく正当な報酬だと主張した。

　起訴状によると、橋本被告は２０２０年６月〜２１年５月、ゼオン社の製品を多く使う見返りに、同社から自身の口座に現金計約３１５万円の送金を受けたとされる。