パルマ・カルチョの守護神を託される鈴木彩艶(撮影は第22節ミラン戦) [写真]=Getty Images セリエA第29節が15日に行われ、パルマ・カルチョは敵地でモンツァと対戦した。
前節終了時点で、パルマ・カルチョは5勝9分14敗の成績で勝ち点「24」を獲得。現在の順位は17位につけているが、降格圏の18位につけるエンポリとは勝ち点差がわずかに「2」と、セリエA復帰初年度のシーズンは残留争いに巻き込まれている。
2月17日にはファビオ・ペッキア前監督を解任し、現役時代にインテルなどで活躍した元ルーマニア代表DFのクリスティアン・キヴ氏を新監督として招へい。キヴ新監督の初陣となった第26節ボローニャ戦こそ2−0で勝利したものの、第27節はウディネーゼに0−2で敗れ、前節はトリノと2−2のドロー。今節は3試合ぶりの白星を目指して、現在最下位に沈むモンツァの本拠地に乗り込む。パルマ・カルチョの“守護神”ことGK鈴木彩艶は、今節もスターティングメンバーに名を連ねた。
この試合最初のシュートを放ったのはモンツァ。パルマ・カルチョは13分に右サイドを破れられるも、クロスボールにダイレクトで合わせたサムエレ・ビリンデッリのシュートはGK鈴木の正面。以降は両チーム局面ごとに激しいバトルを繰り広げながらも、チャンスの数は限定されたまま時計の針が進む。27分にはセットプレーからモンツァがチャンスを作り、ペナルティエリア手前左寄りの位置からアレッサンドロ・ビアンコが強烈なミドルシュートを放ったものの、ここはGK鈴木が横っ飛びで弾き出す。
結局、前半のうちにスコアは動かず、0−0でハーフタイムに突入。後半へ折り返すと、キックオフ直後にポントゥス・アルムクヴィストがミドルシュートを放ったほか、48分には相手のバックパスが乱れた隙を見逃さなかったマテオ・ペレグリーノが左足で強烈な一撃で枠を捉えるなど、パルマ・カルチョがゴールへの気配を漂わせる。
前半とは打って変わってパルマ・カルチョが主導権を握ったものの、先手を取ったのはモンツァだった。60分、左コーナーキックを獲得した場面、ガエターノ・カストロヴィッリが右足で低弾道のボールを蹴り込むと、ファーサイドに流れたボールにアルマンド・イッツォが反応。右足ダイレクトで放たれたシュートはGK鈴木を超えてゴールに吸い込まれた。
失点後のパルマ・カルチョは同点を目指して前へ出たものの、1点が遠いまま試合は終盤に突入。それでも84分、70分から途中出場していたアンジェ・ヨアン・ボニーが圧巻の個人技を披露。敵陣左サイド低い位置でボールを受けると、ここから一気にドリブルを開始。相手2枚の間を抜けると、自らボックス内まで持ち運び、最後は右足で仕上げる。パルマ・カルチョが試合を振り出しに戻した。
試合はこのままタイムアップ。パルマ・カルチョとしては、残留を争うライバル相手に痛恨の黒星という最悪のシナリオは回避したものの、3試合ぶりの白星とはならなかった。GK鈴木としても、安定感のあるプレーを見せながら、3戦ぶりのクリーンシートを逃す結果となった。一方、モンツァは連敗こそ「3」でストップしたものの、これで9戦未勝利となっている。
このあと、欧州各国の主要リーグはインターナショナルマッチウィークに突入。次節、パルマ・カルチョは31日にヴェローナと、モンツァは30日にカリアリと、それぞれ敵地で対戦する。
【スコア】
モンツァ 1−1 パルマ・カルチョ
【得点者】
1−0 60分 アルマンド・イッツォ(モンツァ)
1−1 84分 アンジェ・ヨアン・ボニー(パルマ・カルチョ)