スプリングSに出走予定のフクノブルーレイク(撮影:下野雄規) 上位3着以内に皐月賞への優先出走権が与えられるレースだが、このレースをステップに本番へと挑んだ馬は過去10年で[1-1-2-32]。舞台となる中山競馬場芝1800mはゴール前の坂下からスタートして馬場を1周。激しい先行争いにはなりにくいが、上がり3ハロン最速馬は[6-2-1-6]。器用さと立ち回りの上手さを求められるレースだ。
◎フクノブルーレイクは中山競馬場芝2000m未勝利戦優勝馬。ダッシュが付かずに後方に置かれたデビュー戦を除けば、確実に伸びる末脚を武器に堅実にキャリアを積み上げ、初出走から4戦目で初勝利。この時は半マイル通過50.1秒、前半1000m62.9秒というスローペースを折り合って進み、最後はやや口向きの悪さを見せながらも最後の2ハロンは11.3秒、11.3秒のレースラップを外から力強く差し切った。前走のフリージア賞は長い直線で最後は切れ負けしたような印象だが、初勝利を記録した競馬場でビッグタイトルを狙う。
〇マテンロウバローズは東京競馬場芝1600m新馬戦、京都競馬場芝1600mこぶし賞の優勝馬。いずれのレースもスローペースからの瞬発力勝負となったために着差はわずかだったが、スタートセンスと道中の操作性、追われてからの瞬発力と、狭いところを割って出てくる立ち回りの上手さが印象に残る。今回は距離が1ハロン伸びるものの、この距離延長は味方に出来そうだ。
▲ピコチャンブラックは福島競馬場芝2000m新馬戦に勝って、アイビーS2着。デビュー戦ではツーターンコースで巧みなコーナーリングを披露し、アイビーSは最後切れ負けした印象だが、この時に先着を許したのは共同通信杯に勝つマスカレードボールだった。前走のホープフルSは不可解な大敗を喫したが、まだ見限れない能力の持ち主だ。
△キングスコールは札幌競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。開幕週だったとは言え、残り800mを切ったあたりから先頭に立って、最後の3ハロンは11.7秒、11.6秒、11.5秒の加速ラップで後続を完封した。骨折明けとはいえ、その能力は無視できない。
あすなろ賞2着△ニホンピロデヴィンと、キャリア1戦とはいえ△ダノンセンチュリー。スローペースの大逃げだったとはいえ、後者が記録した先行力と最後2ハロン11.0秒、11.0秒は秀逸だ。