「iPhone 16e」と「iPhone SE」の使い勝手を実機で比較 サイズや画面の見やすさはどう違う?

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2025年03月21日 06:11  ITmedia Mobile

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「iPhone SE(第2世代)」と、Appleが発売してから間もない「iPhone 16e」

 「iPhone 16e」の登場により、2月下旬には大手キャリアのオンラインショップで在庫切れが相次ぎ、中古スマートフォンの売れ行きが増加するなど、新製品ではなく旧製品に注目が集まる異例の事態となっている。


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 iPhone SE(第3世代)は、ホームボタンと指紋認証のTouch ID、4.7型の液晶ディスプレイを搭載したモデル。「iPhone 8」をベースとするボディーの横幅は67.3mmとスリムで、丸みを帯びた縁のおかげで持ちやすい。新品の価格は6万円台(税込み、以下同)からだった。


 一方、iPhone 16eは、6.1型の有機ELディスプレイや「iPhone 16」と同等の「A18チップ」を搭載し、生成AI機能「Apple Intelligence」に対応する。価格は、高機能化だけでなく円安の影響を受け、iPhone SE(第3世代)の最低容量よりも約3万円高い9万9800円からとなっている。


 新品と中古ともに価格が安いからという理由で、iPhone SE(第3世代)が再び注目を集めているようだが、価格だけでなくサイズや使い勝手も、iPhone 16eへの移行におけるハードルになっているようだ。そこで、実機でボディーとディスプレイのサイズを比較し、どちらが持ちやすく使いやすいのかを考える。


●iPhone 16eはiPhone SEよりも一回り大きい 乗り換えるとギャップを感じるやも


 今回は手元にある「iPhone SE(第2世代)」と、販売元のソフトバンクから借りたiPhone 16eで比較する。iPhone SE(第3世代)の外観は、第2世代と見分けがつかないほど同じで、ボディーサイズも全く同じなので、型落ちにはなってしまうが、iPhone SE(第2世代)を使用することを念頭に置いてほしい。


 ボディーサイズについて見ていこう。iPhone 16eはぱっと見でも分かるように、iPhone SE(第2世代)よりも一回り大きい。幅が4.2mm増して、高さが8.3mm高くなった。厚さはほとんど変わらないが、数値としては0.5mm厚くなっている。比較しやすいように両モデルのサイズを下に記載する。


・iPhone 16e:71.5(幅)×146.7(高さ)×7.8(厚さ)mm


・iPhone SE(第2世代):67.3(幅)×138.4(高さ)×7.3(厚さ)mm


 ボディーサイズの違いは、持ちやすさにも当然影響する。iPhone SE(第2世代)の四隅はラウンドしているため、手のひらになじみやすく、幅はiPhone 16eよりも抑えられているため、片手でホールドしやすい。一方、iPhone 16eは幅と高さが増した分、より大きいものを手にしている感覚はある。加えて、サイドフレームから背面パネルにかけてラウンドしておらず、角張ったものを手にしているような印象を受ける。


 実際にiPhone SE(第2、3世代)からiPhone 16eに乗り換えた場合、サイズの違いにギャップを感じる人は多いだろう。


 もちろん、iPhone 16eのサイズにもメリットがある。iPhone 16eの本体サイズは「iPhone 14」と全く同じで、iPhone 14の保護フィルム/ガラスを流用できるため、サードパーティーメーカーにとってもユーザーにとっても、その分の追加コストが省ける。


 ただし、背面の設計はiPhone 14と異なるため注意が必要だ。iPhone 14は1200万画素のデュアルカメラなのに対し、iPhone 16eは4800万画素のシングルカメラ。そのため、iPhone 14用のケースをiPhone 16eで使うことはできない。


●ディスプレイはどちらが見やすい? 写真、Webサイト、Xなどのアプリで比較


 iPhone 16eはボディーサイズがiPhone SEよりも大きく、それが持ちやすさにも影響しているが、ディスプレイもボディーサイズに比例して大きくなった分、文字や動画を見やすくなった。


 ディスプレイのサイズは4.7型から6.1型へと大きくなり、パネルは液晶から有機ELに変更されている。細かく見れば、コントラスト比が1400:1から200万:1へと大きく上がり、最大輝度も標準で625ニトから800ニトにアップしており、視認性は大きく改善したといえる。


 次に、両モデルで主要アプリを起動して、表示された画像や文字が見やすいのはどちらかを確認したい。なお、テキストサイズはどちらもデフォルトのままにし、ディスプレイの輝度は50%(およそ半分)に設定して比較する。


 写真アプリを起動したときにサムネイルが大きく表示され、一度に多くの写真を確認できるのはiPhone 16eだ。iPhone SE(第2世代)は縦に長いiPhone 16eと違い、高さが低くディスプレイの比率が16:9であるため、iPhone 16eと比較すると表示領域が狭い。


 アスペクト比が19.5:9のiPhone 16eを横向きにして、一般的な16:9のコンテンツを表示・再生すると、左右に余ったスペース(黒色の帯)が生じてしまう。対するiPhone SE(第2世代)は左端から右端まで16:9のコンテンツを表示できるため見やすいが、ディスプレイサイズはiPhone 16eよりも小さく、左側に受話口やインカメラ、右側にホームボタンがあり、映画やドラマを見たいとは思わない。


 ここで再び縦向きに戻し、Webサイトの見やすさを比較する。ITmedia Mobileのトップページをスマートフォンで閲覧すると、縦に記事が並び、上から順に新しい記事が表示される。一度に多くの記事を表示できるのは、iPhone SE(第2世代)ではなくiPhone 16eだが、大きな差はない。


 地図を見やすいのはどちらか。こちらも両モデルにGoogle マップアプリをインストールし、新宿駅を検索して見比べたところ、ディスプレイが大きく縦に長いiPhone 16eの方がiPhone SE(第2世代)よりも見やすいことが分かった。


 Gmailアプリを見比べると、こちらもWebサイトの記事と同様、縦に長いiPhone 16eが一度に多くのメールを閲覧できる。一度に表示できる受信メールの数としては、iPhone SE(第2世代)が6つ、iPhone 16eが7つと1つ多く大差はないが、文字のサイズもiPhone 16eの方が大きく見やすい。


 Xアプリも同様にiPhone 16eの方が見やすい。iPhone SE(第2世代)は、最新のポストの画像が途切れてしまうが、iPhone 16eでは、上から下まで途切れずに表示されている。


●キーボードを片手で入力しやすいのはどちら?


 最後に、片手でiPhone標準のキーボード入力がしやすいのはどちらか考えてみよう。結論としては、iPhone SE(第2世代)の方が操作しやすい。その理由は、iPhone 16eよりも横幅が4.2mmスリムな67.3mmであるためだ。71.5mmのiPhone 16eでも片手入力は可能だが、画面の端から端まで指を届かせやすいのは、やはりコンパクトなiPhone SE(第2世代)だろう。


 ただし、これは日本語配列のテンキーを使用する場合の話だ。QWERTY配列では、iPhone 16eの方が各キーがiPhone SE(第2世代)よりも大きく表示されるため、打ち間違いが少ない。


 画面の左端から右端までキーが並ぶ点はどちらも同じだが、iPhone 16eではキーを切り替える際などに使う「地球儀のようなマーク」「音声入力キー」がQWERTYキーの下に配置されているため、キーの間隔に余裕があり、iPhone SE(第2世代)よりも打ちやすいと考えられる。


 なお、iPhone標準キーボードは左右どちらかに寄せて使うこともできる。これも試したが、結論は変わらなかった。横幅71.5mmのiPhone 16eでは片手入力がしやすくなるものの、日本語配列のテンキーではiPhone SE(第2世代)の方が打ちやすい。一方、QWERTYキーボードでは、キーが詰まっているiPhone SE(第2世代)よりも、iPhone 16eの方が快適に入力できる。


●iPhone SE(第2世代)とiPhone 16e、どちらが使いやすい?


 このように、iPhone SE(第2世代)とiPhone 16eのサイズとディスプレイの見やすさを比較すると、どちらにもメリットとデメリットがある。特に一度に表示できる情報量では、iPhone 16eに軍配が上がる。iPhone SE(第2世代)は、ディスプレイが小さいとはいえ、片手で持ちやすい。


 加えて、iPhone SE(第2世代)はディスプレイから遠くない位置、ひいては親指がすぐ届く位置にホームボタンがあるため、ロックされた状態で親指を置けば、Touch IDでロックを解除でき、1度押せば作業中の画面からすぐにホーム画面に戻れる。この使い勝手はiPhone SEやベースモデルのiPhone 8ならではといえる。


 iPhone 16eには、Touch IDを兼ねたホームボタンはないが、顔を立体的に捉えて認証するFace IDがある。ホームボタンが省かれた分、ディスプレイサイズも大きい。Face IDが機能するためのTrueDepthカメラがディスプレイ上部にあるため、コンテンツを全面いっぱいに拡大したときには阻害されるが、それでも大きいディスプレイはアドバンテージだ。


(製品協力:ソフトバンク)



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