「どこを見ても大谷翔平」MLB東京シリーズ報道に不満続出。サッカー日本代表にも及んだ「ヤキュハラ問題」…不満の声は“身内”からも

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2025年03月22日 09:20  日刊SPA!

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写真/産経新聞社
 2025年のメジャーリーグ「東京シリーズ」が大団円を迎えた。
 ドジャースとカブスによる開幕シリーズ。日本人選手総勢5人が登場した東京シリーズは興行的にも大成功を収めた。平均視聴率(日本テレビ、関東地区)は、開幕戦が31.2%(世帯)、第2戦も29.5%(同)。2日連続の30%超えとはならなかったが、インパクト十分の数字を残した。

◆ドジャース一色の報道に賛否の声

 そして“フィーバー”はシリーズ終了後も続いた。翌朝のスポーツ紙はもちろん、ニュース番組や情報番組などで様々な角度から開幕シリーズを詳報。特に目立ったのが大谷らの活躍で2連勝スタートを決めたドジャースの報道だ。

 ただ、ドジャース一辺倒の“偏向報道”には嫌気が差した日本人も少なくなかったようで、SNSには「どのチャンネルを見ても大谷、大谷、ドジャース、ドジャース……。もうお腹いっぱいだよ」といった声が見られた。

 多くのメディアにとって、メジャーリーグNo.1プレーヤーの座に上り詰めた大谷は“数字を稼げる”超優良コンテンツ。それは誰もが認めるところだろう。ただ、ここ数年で“大谷ハラスメント”という言葉がたびたび聞かれるようになったように、大谷を過剰に持ち上げる報道などが多いのも事実だ。

 今回SNSなどで目についたのは、“大谷ハラスメント”はもちろん、“野球ハラスメント”や“ヤキュハラ”というワードである。

◆サッカー日本代表も“ヤキュハラ”被害に

 特に大きな反発を生んだのが、サッカー日本代表の森保一監督はじめ、代表メンバーの数人がドジャースや大谷に関する質問を受けたとされる報道である。

 サッカー日本代表は現在、2026年ワールドカップ(W杯)の北中米大会アジア最終予選の真っただ中。20日のバーレーン戦に続き、25日にサウジアラビアとの一戦が控えている。この2試合を前に13日に行われたのが代表メンバーの発表だった。

 13日といえば、ちょうどドジャースが来日したタイミング。それもあって、代表メンバーの発表会見に臨んだ森保監督にもドジャース関連の質問が飛んだという。

 森保監督は「私も小学5年生まではプロ野球選手になりたいと思っていた」「メジャーリーグの開幕戦を楽しみにしています」などとコメントしたのだが、これが各メディアで伝えられると一部のファンが反応した。

 代表メンバーの発表というサッカー界にとって大事なイベントで、他競技の質問が出たことに対し、Xなどでは辛辣な意見も少なくなかった。このような“ヤキュハラ”は代表メンバーにも及んでいたようだ。

◆日本代表、海外組の選手たちが語る本音

 また、バーレーン戦に向けて25人の代表メンバーが国内で調整する中、練習後にドジャース来日に関する質問も幾つか出たようだ。
 たとえば、メジャーリーグの開幕戦について聞かれた日本の若きエース久保建英選手は、「スペインだと正直あんまり(野球の)ニュースは出てこない。スペイン自体、野球熱があんまりなくて」と率直な感想を述べる一方で、「それこそ日本とかアメリカではすごい人気だと思いますし、すごい選手だなと思います」と、大谷へのリスペクトを込めるコメントを残していた。

 他にもドイツでプレーする堂安律選手は「僕たちがW杯を優勝した時には同じくらいの反響があると思う。僕たちはそれに向けて準備をするだけ。スポーツ全体が盛り上がっていくのはいいこと」とコメント。競技の垣根を越えて切磋琢磨していくべきだという意見を述べている。

◆一部のプロ野球ファンからも不満の声?

 ただ、サッカー代表戦とは無関係の野球に関する質問が出たことに否定的なファンも少なくなくなかった。このようにたびたび発生する“大谷ハラスメント”や“ヤキュハラ”の現象だが、実は国内の野球ファンの間でもハラスメントの声が一部で上がっていたようだ。

 というのも、今回のドジャース来日で、開幕間近のプロ野球報道が極端に減少。メジャーの開幕シリーズに比べてプロ野球の扱いが小さいことに不満を表明するファンも少なくなかった。

 他にも18日に開幕した高校野球センバツ大会でも、・二松学舎大付や花巻東の紹介に、鈴木誠也の母校や大谷翔平の母校などの枕詞がつくなど、あくまでも主語はメジャーリーグという方法も見られた。

「大谷ハラスメント」「ヤキュハラ」「ドジャハラ」……。さまざまなハラスメントに翻弄されたこの数日間だったがが、それも過去のもの。サッカー日本代表は20日のバーレーン戦を制し、8大会連続8度目のW杯出場を決めた。次はプロ野球がその存在感を見せる番だ。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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