コルトがドコモの提訴に反論 「トラフィック・ポンピングに一切関与していない」

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2025年03月26日 20:41  ITmedia Mobile

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ドコモの主張

 音声相互接続事業者のコルト(Coltテクノロジーサービス)が3月25日、NTTドコモが24日に発表した報道内容についてコメントを発表した。ドコモは24日、コルトに「トラフィック・ポンピング」の疑いがあるとし、音声通話に関する過払い分の接続料を返還するよう求め、東京地方裁判所へ訴訟を提起したことを発表している。


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 この場合のトラフィック・ポンピングとは、通話定額に対応した回線から特定事業者へ大量に発信することで、接続料(アクセスチャージ)を不正に得る行為のこと。異なる通信事業者間で通話をする際、発信側の事業者が、着信側の事業者へ接続料を支払う必要がある。トラフィック・ポンピングは、この仕組みを悪用したもの。


 ドコモが2014年に「カケホーダイ」プランを提供してから、ドコモのネットワークからコルトへのネットワークの通話量が大幅に増加。本来低減するはずの接続料が高止まりしていることを問題視しており、2021年の総務大臣裁定で示された接続料の水準に合わせ、過払い分の接続料を返還するよう求めている。


 コルトは、「本裁定の結果・内容および本裁定にかかわる手続は、不当かつ不公正なものであり、市場における慣例からも乖離(かいり)していると考えております」とコメント。裁定の不服に関して、総務省と東京地方裁判所に申し立てしており、ドコモとの接続料について、公正かつ中立的な判断を求めていくとする。


 2021年にドコモのカケホーダイプランを悪用して不正に接続料を得たとして、BIS関係者が逮捕された際、ドコモは、コルトによる「トラフィック・ポンピング」の疑いが発覚したと述べている。つまり、コルトが接続料の一部を、着信インセンティブ契約によってBISに還元していたのではないか、という疑いだ。


 この点についてコルトは、「弊社は、BISに対し音声サービスの提供を行っていたものの、いわゆる『トラフィックポンピング』に関与したことも、それを認識しながら黙認したことも、一切ございません」と主張する。BISの刑事事件の情報を把握した時点で、BISに対する音声サービスの提供を終了しており、BISの事件でコルトの不正行為や関与は一切認められていないとする。なお、コルトは着信インセンティブ契約の具体的な内容については開示していない。


 コルト自身もトラフィック・ポンピングは問題であると認識しており、以下の通りコメントしている。


 「弊社は、総務省主催の検討会などへの参加を通じて、責任ある通信事業者として、トラフィックポンピングの未然防止や排除に貢献することに努めております。トラフィックポンピングは、業界全体に影響を及ぼす課題であり、定額制SIMカードの販売など複数の要因によって引き起こされていると認識しております。そのため、例えば、移動体通信事業者および固定通信事業者による適切な利用管理と積極的な監視・報告義務を伴う仕組みが、不正な第三者によるトラフィックポンピング行為の抑止につながると考えております」


●コルト「当社のネットワークの構成等についての理解に齟齬がある」


 一方、コルトの主張には曖昧な点が見られる。気になった3点についてコルト広報に問い合わせたところ、以下の通りの回答だった。


―― 総務大臣裁定が不当かつ不公正なものであると主張される理由を教えてください。


コルト 当社の主張については、法的手続の中で主張して参ります。係争中の事案でありますので、この場での回答は差し控えます。


―― ドコモ側は、2014年のカケホーダイ導入以降、コルトへの通話量が大幅に増加し、トラフィック増加により低減するはずの接続料が高止まりしていると主張しています。この点はどうお考えでしょうか。接続料は公正に算定されているということでしたら、その理由を教えてください。


コルト 当社はドコモとの間の接続料の金額設定に関して、同社との協議に誠実に対応して参りました。接続料が高止まりしているとのドコモの主張は、当社の理解とは異なっており、当社のネットワークの構成等についての理解に齟齬(そご)があるためのものと考えておりますが、これ以上の詳細については、係争中の事案でありますので、この場での回答は差し控えます。


―― BISの逮捕に際して、トラフィックポンピングに関与していないとのことですが、ドコモによると、コルトが着信インセンティブ契約の存在は認めたとされています。となると、貴社の主張は矛盾しているようにも思えるのですが、この点はどうお考えでしょうか。


コルト 当社は、トラフィックポンピングに一切関与しておりません(この点は、関係当局の調査でも確認されています)。また、BIS社へのサービス提供は2020年に終了しております。トラフィック・ポンピングは、定額制SIMカードの販売など複数の要因によって引き起こされるため、例えば、移動体通信事業者および固定通信事業者による適切な利用管理と積極的な監視・報告義務を伴う仕組みが必要と認識しております。



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