2025スーパーGT富士メーカーテスト au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太) 2025年のスーパーGT500クラスはどのような戦いになるのか。開幕前の岡山、富士での公式テストを前に、マレーシア・セパン、そして国内各地のサーキットでプライベートテスト、メーカーテストを重ねてきた3メーカーの各社の首脳陣に今季マシンの手応えについて聞いた。初回は昨年、36号車のau TOM'S GR Supraがぶっちぎりでタイトルを獲得したトヨタ/TOYOTA GAZOO Racing(TGR)陣営。車両開発を担当するTGR-Dの池谷悠氏に聞いた。
昨年のGRスープラはフロント内部を大変更。ラジエターやインタークーラーといった冷却性能を見直して最適化して小型化するなどボンネット内の配置を変えて軽量化と低重心化を実現。これまでのアンダーステア傾向のマシン特性からフロントの回頭性を大きく向上させて課題を解決し、36号車au TOM'S GR Supraが文字通り、ぶっちぎりの強さでタイトルを獲得し、2連覇を達成した。
「去年は結果的に陣営の中で36号車がぶっちぎったというような状況ではありますけれども、37号車(Deloitte TOM'S GR Supra)、39号車(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)も優勝を挙げることができて、全体的な底上げにはつながっていっているとは思います。ですがやはり、陣営のなかでも36号車だけ抜けているところがあります。他のチームがどう追従できるのか、クルマ開発とはちょっと違うテーマを持ってやっていかなきゃいけないという風には捉えています」