ミュージカル『ブラック・ジャック』が2025年6月に上演決定 1973年に『週刊少年チャンピオン』の連載開始された手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』がミュージカル化され、6月28日から7月13日まで東京・IMM THEATERで上演が決定した。坂本昌行が主演を務め、ブラック・ジャック(間黒男/以降、B・J)を演じる。現代社会に向け、「命の価値」「再生」をテーマに、生演奏の音楽と俳優たちの歌・演技でつむぐ。
【動画】しっとりと歌い上げ大人の魅力あふれる坂本昌行 そして、双子の姉の腹の中で18年間生き続けていた畸形嚢腫(きけいのうしゅ)で、B・Jに摘出され人工の身体を得た女の子・ピノコ役をミュージカル初挑戦となる矢吹奈子。安楽死の必要性と正しさを信念とする医師ドクター・キリコ役を2年ぶりの舞台出演となる味方良介。さらに、今井清隆、大空ゆうひといった実力派俳優も出演し、作品の奥行きを深める。
演出は紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した舞台演出家の栗山民也氏。脚本は、劇団「ラッパ屋」主宰で、“大人のエンターティーメント”を志す作風で人気の鈴木聡氏。音楽は、演劇やオペラなど数々の舞台作品で日本にとどまらず海外でも活躍する笠松泰洋氏が担当。
東京を皮切りに、新潟、名古屋、浜松、札幌、兵庫で上演する。
■キャストコメント
▼坂本昌行
この度、手塚治虫先生の代表作の一つ「ブラック・ジャック」で主演のブラック・ジャックを演じさせていただきます。子どもの頃に読んでいた、あの主人公を自分が演じることになるとは、夢にも思いませんでした。大変光栄な事であり、重責に身が引き締まる思いです。そして演出家の栗山さんと再びご一緒できる事もうれしい限りです。
▼矢吹奈子
ピノコ役を演じます、矢吹奈子です。
多くの世代の方から愛されている『ブラック・ジャック』をミュージカルで、そしてピノコ役を演じられることがとても光栄ですし、何よりもうれしい気持ちです。今回が初のミュージカル出演になるので少し緊張もありますが、幼い頃から大好きな歌とダンスで表現ができることが今から楽しみでワクワクしています。座長の坂本昌行さん、キャストの皆さまの背中を追って、日々前進していけるよう頑張ります!手塚治虫さんの独特な世界観を表現できるよう、観にきてくださるお客さまの心の中に残り続ける作品を作れるよう、とにかく全身全霊で挑みたいと思います!
▼味方良介
味方良介です。このたび約2年ぶりに舞台に立ちます。10代の頃から舞台の世界にいましたが、これほどのブランクは初めてで、まだ始まってもいない稽古に緊張しながらも、ずっと恋しかった舞台に立てる喜びで胸がいっぱいです。
演出は、長年客席から憧れていた栗山民也さん。作品は“手塚治虫”の『ブラック・ジャック』。主演の坂本昌行さんは、僕が子どもの頃から舞台で観てきたレジェンド。その中で“ドクター・キリコ”を演じられることは夢のようです。ビジュアル撮影では、人間味と虚無を感じさせるデザインに身が引き締まりました。
手塚作品は4作目。そのうち2作が『ブラック・ジャック』という縁にも感謝しています。稽古から本番まで、真摯に挑みます。
▼大空ゆうひ
世代を超えて愛されている手塚治虫先生の作品。影のあるヒーロー、天才外科医のブラック・ジャックは私も憧れていました。人間の生と死、命の尊さについて考えさせられる部分もあります。
今回、その登場人物として携わる機会をいただき、とても光栄です。栗山さんの手でどんなミュージカルになるのでしょうか?!ミュージカル作品への出演はひさびさなので不安と楽しみが半分半分。音楽の笠松さんとは以前ご一緒させて頂いたことがあり、楽曲も楽しみです。魅力的な作品の一部となれますよう頑張ります!
▼今井清隆
手塚治虫の大ヒットアニメをミュージカル化すると聞いただけで、心躍る感覚になりました!
私にとって手塚作品は、こちらが2作目となります。1つ目はミュージカル『ブッダ』いずれも栗山民也先生の演出でした。栗山先生の緻密で繊細かつ大胆な演出にワクワクします。どんな作品も感動的に創り上げられる天才なので、ある意味アニメを超える作品になってくれたら良いなと密かに期待しています。
ブラック・ジャック役の坂本昌行君も本作品で共演は3回目なのですが、大好きな役者さんなので、今から稽古が楽しみです!私もアニメ作品を参考にしながら、自分なりに役を深めて行く作業が楽しみでもありますし必ずすてきな作品になると思いますので、どうぞご期待ください!
▼栗山民也(演出)
プロデューサーから電話をいただいた。「ブラック・ジャック」を舞台化したいという内容だった。その電話口であの全身ツギハギの肌、あの黒いいつものコート姿のブラック・ジャックを思い浮かべ、妙に胸が高鳴った。
子どもの頃から決してマンガ好きではなかったが、手塚治虫だけは違った。まるで好きな物語に夢中になるように、そのいくつもの長編漫画に没頭した。
今まで創ってきた舞台は『火の鳥・鳳凰編、黎明編、未来編』、『ブッダ』、『アドルフに告ぐ』。全身で呼吸するたくさんの登場人物たちの声が、今でも熱く聴こえる。今回は医学を通し人間の身体という永遠の謎に向かう。「この世に不必要な人間や生命は一つもない」これはブッダの言葉だが、このブラック・ジャックというダークヒーローも同じく、「すべて命あるものは平等だ」と、生きるあらゆるものの身体に取り憑く病と真に向き合うのだ。