新生活の季節がやってきました。新社会人にとってはワイシャツを着る機会も増えるなか、大変なのが日々のアイロンがけです。こうした悩みに、新商品開発のヒントは眠っています。
【画像8枚】吸着機能付き衣類スチーマー「Morus V6」(1万5800円)の機能、使用イメージ
ここ10年ほどで家電市場で増えた衣類スチーマー。アイロン台に置いてアイロンをかける手間が省ける商品としてすっかり市民権を得ました。一方で意外とシワが取りきれず、結局アイロン台を使ったり、手で引っ張ってシワ解消をしたりと、手軽なものの機能としては十分ではない点もあります。
そんな中、応援購入サイトMakuakeで1億円以上売れた「吸着式」の衣類スチーマーがあります。
●吸着式衣類スチーマーとは?
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2024年にMakuakeで発売し、1億円以上の応援購入金額を集めた「吸着式衣類スチーマー Morus V6」という商品があります。一般に多く出回っている衣類スチーマーはこれまで、「スチームの量」や「軽さ」などが改良ポイントでしたが、本商品は掃除機の「吸着」要素を追加するというアプローチの新商品です。
「まるで『衣類スチーマー+ミニ掃除機』」というコンセプトで、スチームを出しながら、「空気のアイロン台」と称する吸着機能を付与。吸着することで、片手で楽に、かつしっかりとシワを伸ばせる両立を実現しています。
実際に本商品の応援コメントにも「横着な自分にとって画期的な商品」「こういうスチーマーがまさに欲しかった」など、隠れていたニーズがまさに顕在化していることが分かります。ただ、このようなアイデアの種は実はユーザーの声を聞いても出にくい「隠れ不満」であることも多く、盲点になりがちです。
この「Morus V6」についても、吸着機能がユーザーにとって「言われてみれば、確かにそうだ」となり、6600人以上が購入したヒットにつながったのだと考えられます。
ユーザーヒアリングや市場調査ではどうしても最大公約数の意見に目が行ってしまいがちです。しかし、実は少数意見の中に本当に解決すべき「隠れ不満」が眠っている可能性があるかもしれませんし、そもそも顕在化していない可能性もあります。そのためには常識を疑い、少し視点をズラして盲点を探してみることが重要になるのではないでしょうか。
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●著者プロフィール:朝倉亮
株式会社マクアケ キュレーション局 キュレーター
鳥取県出身。それぞれ100年以上続く木工所と農業関連の企業を営む両親の元で生まれる。株式会社マクアケ入社後、キュレーターとして数多くのプロジェクトに携わる。
2021年10月より中四国拠点の責任者として、主に中四国地域のプロジェクトサポートを行う。
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