加藤勝信金融相=2月6日、東京都千代田区 金融庁は28日、企業の事業の状況や財務諸表などをまとめた有価証券報告書(有報)について、定時株主総会前の提出・開示を検討するよう国内の全上場企業約4000社に要請した。有報には総会での議決権行使判断に役立つ情報が多く記載されている。しかし、上場企業の9割が総会当日から3日後までに提出・開示しており、海外投資家から批判があった。加藤勝信金融相名で各企業の代表者に宛てた要請文を出した。
欧米では、有報に相当する年次報告書を総会前に開示することが一般的。米国の代表的な株価指数のダウ平均を構成する30社は、いずれも総会の40日以上前に提出している。要請文では、本来有報の提出・開示は総会の3週間以上前に行うことが望ましいとしつつ、まずは今年から総会の前日か数日前の提出を検討するよう求めた。
要請文ではこのほか、総会前に提出しなかった企業に対し、金融庁が今後の対応を調査する可能性にも言及した。