
「自分、陰キャなんで」という芸能人やセクシー女優、ナイトワーカーの自虐を聞いたことがないでしょうか。華やかな人物が“陰”なんてワードを使ってもあまり信用できず、人によっては「陰キャなら最初から人気商売に就かないだろ!」とツッコミを入れたくなるかもしれません。
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陰キャ、つまりは陰キャラ(暗い、人付き合いが苦手な性格のような意味)が最近軽はずみに使われています。一見キラキラしたように思える人々の自称陰キャ発言は本当なのでしょうか。ぶっちゃけると彼らが根暗なのは本当ですが、真の陰キャとは違うのです。なぜなら“ホンモノ”であれば、人前に出ようという発想がまず浮かばないからで、仮に人前に出ようとしても、第一歩を踏み出せずに終わるケースが大半だからです。
実際に某映画監督が「制作側とタレント側の自称・陰キャにはビビるくらい大きな差がある」と言っていました。
監督曰く「演者は最低限の集団行動が可能」「物怖じせずに、人前で気の利いたアドリブが出る(=堂々としている)」「そもそも、最初から表舞台で活躍するスキルがある程度備わっている」という3つの要素が揃う時点で、真の陰キャではない!と語るのです。どうやら裏方スタッフは技術はあれど、前に出て注目を浴びることが苦手という人が多いとか。
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「陽キャの一面を持つ陰キャ」が人気商売に就けるので、タレントは“ホンモノ”とは言い難い……なんてのが監督の持論だそうです(笑)。確かにそれなりに光の部分を持っていないと、表舞台に立ち続けるのは難しいかもしれませんね。
独特な輝きを放つ演者が自身を陰キャ呼ばわりする理由は、性格や過去の経験が影響しています。実はとても人見知りだとか、学生時代が地味だったとか、仕事以外の日は引きこもり、友達の数が少ないなど……。派手な生活や人生を送っていないからこそ、マイナスな一面=陰キャと表すのでしょう。
さっきまで満点の笑顔を振りまいていたのに、現場を出た途端無表情。帰りのタクシーでは死んだような表情を浮かべ、休みの日は一言も発さず延々とゲームに没頭する人も少なくはありません。この裏側を見ると、陰キャを自称する演者が“陽”ではないことがわかりますね。
「わたし、陰キャなんですよ」という言葉には、暗い過去が潜む場合もあります。人気商売を始める人は昔つらい思いをした人が多いので、陰の部分があるからこそ光を求めて前に出る仕事を選ぶなんてこともよくあるパターン。かつての悔しさをバネにするからこそ、後天的に光がついてくるパターンも珍しくはありません。
キラキラと眩しい人を見ると「今までの人生も華やかなんだろうなぁ」と思いがちですが、実はだいぶ陰キャなのが演者という生き物。光と陰のどちらをも持ち合わせるから魅力的で、個性を発揮できるといっても過言ではないでしょう。
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◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。