カーリング女子日本代表のオリンピック出場はどうなる? ミラノへの険しい道のり

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2025年03月30日 07:30  webスポルティーバ

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 韓国・議政府で行なわれたカーリング女子世界選手権はカナダの連覇で幕を閉じたが、日本は来年開催されるミラノ・コルティナ五輪の出場権をまだ獲得できていない。

 カーリング女子の五輪出場枠は「10」だ。

 そのうち、1枠は開催国のイタリア。そしてイタリアを除いた7枠が、五輪から逆算して直近2年の世界選手権での成績に応じて振り分けられるオリンピックポイント(優勝=15ポイント、準優勝=13ポイント、3位=11ポイント、4位=10ポイント。以下、順位が下がるごとに1ポイント減少)の合計によって決まる。

 今回、そのオリンピックポイントによって五輪出場枠を得たのは、カナダ、スイス、韓国、スウェーデン、デンマーク、イギリス(スコットランド)、中国の7カ国だ。

 日本は昨年の世界選手権に出場したSC軽井沢クラブが11位で3ポイント。今大会に出場したフォルティウスが9位で5ポイント。合計8ポイントを獲得したが、これは全体の11位でオリンピックポイントによる五輪切符獲得はならなかった。

 ちなみに、ボーダーラインとなった中国のポイントは11。日本も、昨年の大会と今大会であと1勝ずつ上積みできていれば、あるいは......という状況だった。

 とはいえ、国内最高タイトルである日本選手権を制した日本で最も強い2チームが出した成績だ。特定のチームや選手に一切責任はない。日本カーリング界全体の現状として、重く受け止めるべきだろう。

 残る2枠は、12月の五輪最終予選で決定する。その日本代表を決めるのは、9月に北海道稚内で行なわれる日本代表候補決定戦だ。

 出場するのは、昨年の日本選手権優勝SC軽井沢クラブ、今年の同大会を制したフォルティウス、そして世界ツアーランキング国内最上位チームのロコ・ソラーレの3チーム。

 大会レギュレーションは、ダブルラウンドロビンとベスト・オブ・ファイブ方式が採用された。まずダブルラウンドロビン(2回総当たりの予選)を行なって、上位2チームが決定戦に進出。決定戦は先に3勝したほうが代表候補チームとなる。

 ただし、決定戦ではダブルラウンドロビンの直接対決の結果が持ち越される。

 たとえば、決定戦に進んだ2チームのダブルラウンドロビンでの対戦成績が2勝0敗であれば、2勝しているチームはひとつ勝てば代表候補となる。逆に未勝利の対戦チームは3連勝しなければならない。決定戦進出2チームのダブルラウンドロビンでの対戦成績が1勝1敗だった場合は、先に2勝したチームが代表候補となる。

 代表候補となったチームが挑む前述の五輪最終予選は、12月にカナダ・ケロウナのケロウナカーリングクラブで行なわれる。同クラブはいわゆるアリーナではなく、クラブリンクに分類される会場だが、全12シート、1000人前後の集客も見込める世界最大級のクラブアイスのひとつだ。

 出場国は8カ国。日本同様、世界選手権に出場しながら五輪出場枠を得られなかったノルウェー、アメリカ、トルコ、エストニアに、日本を含めた5か国。残りの3カ国はニュージーランドやリトアニア、オーストラリア、メキシコなどが参加する予備予選を勝ち抜いたチームとなる。

 詳しいレギュレーションはまだ発表されていないが、残り2枚の切符は、おそらく総当たりのラウンドロビンを戦って、最上位となったチームと、2位と3位のチームによる決定戦の勝者に与えられるのではないか。

 過去に日本は、2014年ソチ五輪と2022年北京五輪の際に最終予選を勝って五輪出場へ滑り込んだ。ソチ五輪の最終予選(ドイツ・フッセン)を戦った、当時北海道銀行フォルティウスのスキップを務めていた小笠原歩ナショナルコーチは、「あんな思いはもう後輩たちにはさせたくないくらい、本当につらいものだった」と振り返る。

 出場チームには、想像を絶するプレッシャーがのしかかるだろう。技術的、精神的にもタフさが求められる。カーリングが五輪正式種目となった1998年長野大会から、女子日本代表は7大会連続で五輪出場を果たしているが、はたしてその過酷な戦いを再び勝ち抜くことができるのか。

 まずは、9月の稚内決戦。出場3チームには世界で戦えるカーリングを展開し五輪への道を切り拓いていく、たくましい姿を見せてほしい。

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