最も平均月額単価が高かった職種は「DXコンサルタント」(120万円)。フリーランスのITエンジニア向けエージェントサービスのHiPro Tech(ハイプロテック)が実施した「ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング」で分かった。
●需要拡大で単価も上昇 DXの最前線を担う職種とは?
DXコンサルタントは、DX推進のプロジェクトが一般化し需要が高まる中、2023年から単価が約5万円も上昇している。2位は「ITコンサルタント」(118.2万円)、3位は「プロダクトオーナー/プロダクトマネジャー」(110.4万円)だった。
2位、3位、5位(「PM/PMO」)の職種に見られるように、リモートワークの普及を背景に非IT企業でもデジタル変革が進み、システムの構想・導入や上流工程を担う人材の需要が高まっている。
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4位の「機械学習/AIエンジニア」(104.6万円)や7位の「データサイエンティスト」(95.8万円)は、企業規模や業種を問わず、機械学習・AI技術を活用したプロダクト開発や、ビッグデータ解析によるビジネスモデルの改善に関わる職種だ。こうした先端IT技術を持つ人材の需要は高く、獲得が難しいため単価も上昇している。今後も業務改善やプロダクト強化、事業拡大を目的にAI活用が進み、専門スキルを持つ人材のニーズはさらに高まる見込みだ。
業種別に見ると、1位は前年同様「コンサルティング、他」(104.1万円)で、前回から約5万円上がっている。既存システムの老朽化やブラックボックス化が進み、DX推進の障害となっている「2025年の崖」に多くの企業が危機感を抱いている。最適なシステム刷新を社内で進めたいものの、DXを推進できる人材の確保が難しく、コンサルなどに依頼せざるを得ない状況が浮き彫りとなった。
2位は「金融」(102.1万円)で、前回よりも15.7万円上昇した。レガシーシステムの最適化や移行を進められるPM/PMO、コンサル系の上流案件が多く、業界特有のコンプライアンスやセキュリティに対応できる人材が希少なため、単価が上昇したと考えられる。
3位「医薬品、他」(97.1万円)、4位「メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)」(95.1万円)、5位「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」(91.2万円)も、前回より単価が上昇した。非IT業種においても、DX推進やIT戦略の実行が企業成長の鍵となり、そのための人材確保が急務となっているようだ。例えば、ベビー関連製品の開発・製造・販売を手掛けるメーカーでは、業務システムのリプレイスや標準機能を活用した導入を進めており、こうしたプロジェクトを担う人材の市場価値が高まっている。
言語別で見ると、1位が「TypeScript」(98.5万円)、2位が「Python」(98.3万円)、3位が「Ruby」(97.5万円)、4位が「Go言語」(95.0万円)で、新しい技術に対応した言語が上位に入った。
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これらの言語は、コード記述がシンプルで保守性が高く、運用しやすいのが特徴だ。新サービス開発やリプレイス時に採用する企業が増えている。その結果、モダンな言語を扱う人材のニーズが高まり、高単価を維持している。
調査は2024年1〜12月、HiPro Techが受領した案件の月額単価の平均を算出した。
(小松恋、アイティメディア今野大一)
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