「シャビやイニエスタと比較されるのは光栄」…ペドリが明かす進化への欲求「バロンドールは先の話」

　バルセロナに所属するスペイン代表MFペドリが、地元メディア『TV3』のインタビューを通して、自身の現在のコンディションやロールモデル、そしてラ・リーガの優勝争いについて語った。

　ラ・リーガ第29節が30日に行われ、バルセロナはジローナを4−1で破った。昨シーズン、“シーズンダブル”を許したジローナを相手に、今季の第5節と同様に4−1と大勝。バルセロナはラ・リーガでの連勝数を「9」に伸ばし、今季最多の連勝記録を更新しただけでなく、2位につけるレアル・マドリードとの勝ち点差「3」を維持した。

　ペドリは同試合にも先発出場し、81分までプレー。直近の数シーズンは度重なるハムストリングの負傷に悩まされ続けてきたものの、今季はここまでケガに泣かされることはなく、病欠したラ・リーガ第21節バレンシア戦（○7−1）を除くと、ここまで行われた公式戦全44試合のピッチに立ち、5ゴール7アシストを記録している。

　間違いなく、今季のペドリは充実のシーズンを過ごしているが、自身は「良いプレーが認められるのはいつだって嬉しいことだけど、自分がもっと良くなることに集中したいんだ」とさらなる向上を見据える。「僕はまだ22歳だし、まだまだ改善の余地はある。実際、監督からもトレーニング中にそう言われるしね」と続けると、「改善点はどこかって？たくさんあるよ。ボールを失う回数を減らすこと、ゴールの数を増やすこと、チーム全体のスピードアップやスローダウンのタイミングをうまく選ぶこと。挙げるとキリがないね」と、謙虚な姿勢を維持した。

　同時に、度重なるケガに悩まされた直近の数シーズンも振り返り、「僕はあらゆる状況を経験した。最初は称賛され、次に批判され、そしてまた称賛される。まるでコインの両面のようだね」とコメント。「僕の足はガラスでできているとか、ケガが多すぎるとか、とにかく多くの言葉を目にした」と、心無い言葉を投げかけられたことも明かしながら、「これだけの批判を受けると、そんな論調をひっくり返したくなるし、自分の力をもっと出したくなる。ただし、批判してきた人の口を塞ぎ、見返すというよりも、自分自身を楽しむことだね。それが今現在、僕が久しぶりにできていることなんだ」と語った。

　また、ペドリはバルセロナ加入を果たした2020−21シーズン（※編注：実際は前年に加入も、1年間はレンタル移籍という形で古巣のラス・パルマスに残留）から、かつてバルセロナの中盤を彩った元スペイン代表MFシャビ・エルナンデス氏や、後に背番号「8」を継承することとなる同MFアンドレス・イニエスタ氏の“後継者”として期待を寄せられてきた。ペドリ自身は「シャビやイニエスタと比較されるのは光栄なことさ。なんて言ったって、子どものころから彼らとセルヒオ・ブスケツには常に憧れてきたからね」と喜びを隠さない。

　眩いばかりの輝きを放ち続けるペドリに対しては、今年のバロンドールの候補との声も聞こえてくる。仮にバルセロナが今シーズン、10年ぶりにラ・リーガ、コパ・デル・レイ（スペイン国王杯）、チャンピオンズリーグ（CL）の3冠を達成したならば、その可能性は格段に高まるだろう。だが、ペドリは「バロンドールだって？僕にはまだ先の話だよ」と正直な本音を口にし、“候補者”に関して次のように見解を示した。

「ロドリのような例外もあるけれど、基本的にバロンドールがゴールを量産する選手が手にするものだよね。僕はそのようなタイプではない。ラミン・ヤマルやハフィーニャのように、素晴らしい数字を残し、常にゴール前で脅威になる選手のほうが相応しいんじゃないかな。僕はこのクラブでタイトルが獲れれば十分さ」

　ラ・リーガのタイトルについては、今後もレアル・マドリードと白熱した争いを繰り広げると予想される。躍進を続ける現在のチームを「何が起きているのかを伝えるとするならば、すべてハンジ・フリックのおかげだね。彼は僕らに去年とは違うプレーをさせた、。特に最終ラインの設定と前線からのプレッシングに関してだね。彼のやり方をチームに浸透させたからこそ、今の成績がある」と話したペドリは、今後の優勝争いについても次のように言葉を発した。

「仮にタイトルを獲れなかったとしても、チームが歩んできたここまでの道のりを考えれば、まったくもって失格と呼ぶようなことはない。ここまでは素晴らしい戦いを見せているのだからね。でも、僕らにとってショックなのは間違いない。だからこそ、タイトルにこだわって今後も戦い続けるよ」


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