里崎智也と五十嵐亮太が指摘する佐々木朗希メジャー1年目の課題 「投手・大谷翔平」の復活の時期も予想した

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2025年04月02日 07:31  webスポルティーバ

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里崎智也×五十嵐亮太 対談

メジャー日本開幕戦 後編

(前編:メジャー開幕戦先発の山本由伸と今永昇太、鈴木誠也と「打者・大谷翔平」の今季>>)

 里崎智也と五十嵐亮太が語る、メジャー日本開幕戦で見た日本人選手たち。その後編では、メジャーデビューを飾ったドジャース佐々木朗希、復活が待たれる「投手・大谷翔平」について語った。

【佐々木朗希のメジャー初登板をどう見た?】

----前編に続いて、日本で開催されたメジャーリーグ開幕2連戦について伺います。ドジャースの2戦目の先発マウンドを託されたのは、1年目の佐々木朗希投手。3回を投げて1安打1失点でしたが、フォアボールは5つもありました。

五十嵐 試合後に本人も言っていたように、「課題が早い段階で見つかった」という点はポジティブに捉えていいのかなと思います。緊張していたとは思うけど、初回から力のあるストレートで押して、フォークボールでもしっかり空振りが取れていた。「彼のピッチングスタイルはアメリカでも通用する」ということを証明しただけでも、まずは上々の結果だったと思いますね。

里崎 (前編の)山本由伸の時にも言いましたが、佐々木の場合も、キャッチャーのウィル・スミスとのコミュニケーション不足も大きいと思いますね。日本だったら、左バッターのアウトコースには投げるけど、右バッターのインコースへのサインってほぼないんですよ。右のインコースに行くパターンは、逆球がほとんど。

 でも、ウィル・スミスはかなりインコースのストレートのサインを出していました。それはデータ上では有効なのかもしれないけど、まだ佐々木にはそこまでの制球力がない。だから引っかけたり、ストライクがいかなくてボール先行になったりして、フォアボールを連発する結果になりましたね。

五十嵐 確かに、引っかけたボールが目立ちましたね。

里崎 何度も右バッターのインコースへのサインを出していたけど、僕としては「出しても(インコースに)来えへんと思うけどな」と思いながら見てたよ。だって、日本ではやっていないわけで、やらない理由があるわけだから。

 考えられる理由はふたつしかありません。ひとつは「右バッターのインコースのボールを使わなくても打たれないから」。もうひとつは、「そこに投げきれないから」。僕は後者だと思うんですけどね。

五十嵐 僕も後者だと思います。右バッターのインコースに投げきれず、ボール先行になるケースが多かったし、全体的にフォークボールが多投されていました。

里崎 そう、結局はフォークばっかり投げるわけでしょ。初回はうまくいったけど、それ以降は制球が定まらないからスライダーに変えて、三振を奪って終わった。僕は「もっと早くスライダーに切り替えればよかったのに」と思ってましたね。そのあたりは、もっとキャッチャーとコミュニケーションを取ったほうがよさそうです。

【佐々木の今後の課題は?】

五十嵐 あとは、これからローテーションを守っていくなかで、どうやって長いイニングを投げていくのか。どうやって力を抑えながら投げていくのか。そのあたりもポイントになってきますね。例えば、三振ではなくてゴロを打たせるようなピッチングスタイルの確立が必要です。

 あとは、ピッチクロックの問題もある。単純に「自分のペースで投げればいい」という問題じゃないので、そこばかり気にすると、ランナーを見ずに投げてしまことになる。どうしても集中力が欠けがちになるので、慣れるまでには少し時間がかかるかもしれません。

里崎 日本に比べるとボールの個体差が大きいと思うので、その対応も必要ですね。さらに、これはロッテ時代からそうですが、盗塁へのケアをどうするのか。ピッチング自体はいい感触をつかんでいるかもしれないけど、それ以外の細かいところの対応も求められますね。

五十嵐 そうなると、細かいところでの対応能力が成功のカギとなりそうですね。

里崎 ロッテ時代から言われていたことでもあったけどね。

五十嵐 さっきサトさんが言ったように、まずはキャッチャーのウィル・スミスときちんとコミュニケーションを取って、意見を交換してほしいですね。現時点では、佐々木のほうから「自分はこういうピッチングスタイルだから」と希望を言える立場じゃないから、キャッチャーに合わせていくしかない。それによって、新しいピッチングスタイルができるかもしれないし、日本でできなかったことができるようになるかもしれない。こればっかりは、やっていくなかでつかんでいくしかないですよね。

里崎 1試合のなかの短いイニングの登板で、しっかり投げられたら抑えられる実力があることはみんなわかっている。やはり課題は、ローテーションを守って投げ続けられるかどうかです。メジャー初登板では「お前は守護神か!」というぐらい全力で投げていたけど、どんどん球速が落ちていきました。あの試合は、球数制限とイニング制限があるから最初から飛ばしていただけで、あれがシーズン中のピッチングではない。長いイニングを投げること、ローテーションを1年間継続することが本当にできるのか、これから問われることになるよね。

五十嵐 アメリカでの本拠地デビューでも制球に苦しんでいたけど、アジャストするにはもう少し時間がかかるかもしれないですね。

【「投手・大谷翔平」に関するチーム方針と、本人の思惑とのギャップは?】

――2シーズンぶりに投手起用が期待される「投手・大谷翔平」について伺います。いつ頃マウンドに復帰するのか、以前のように投げることができるのか、といった展望を聞かせください。

里崎 チームとしては「急いで復帰させたくない」という考えが強いらしいですね。「焦って復帰させて、また故障させたくない」思いからだけど、本人としては「1日でも早く投げたい」思いのようです。

五十嵐 僕もそういう声を聞いたし、多くの人がそう言っているけど......本当にそうなんですか?

里崎 僕は、かなりの有力筋から聞いたけどね(笑)。とにかく球団の考えと、本人の希望との折り合いをどうするのか、というところでしょう。その際にポイントとなるのは、「どこまで調整してから実戦で投げるか」によるんじゃないかな?

 結局、マイナーでの調整登板はなくて、ライブBP(実戦形式の打撃練習)しか調整の場がない。そうなると、いきなり公式戦での実戦復帰となるから、なかなか難しいはず。チームとしては「焦らずにゆっくりと」、本人は「3イニングでも投げられるのなら投げたい」と思っているのかもしれないけど......そのあたりの兼ね合いは難しそうだね。

五十嵐 トミー・ジョン手術明けで、マイナーでの調整なしで復帰するケースは聞いたことがないです。「打者・大谷」の存在感を考えると、一時的にでもマイナーに降格させるとは考えにくいから、公式戦に出場しながらの調整になりますよね。そうなると、メジャーで打者として出場しながら、一方では投手として球数、イニングを増やしていくわけだから、ますますブルペンとライブBPの内容が重要になってくるでしょうね。

里崎 打者として試合に出続けながら、投手としての調整を続けていく。さっきも言ったけど、それを続けながらどの段階でゴーサインを出すかですよね。そこで、本人の意思を尊重するのか、球団の方針で決定するのか。そのあたりは、外からではわからない。3月末から、ようやくブルペンでのピッチングを始めたけど、しばらくの間は様子見が続くはずです。

五十嵐 当然、投球の強度を上げていくたびに出力も大きくなるし、肉体への負担も大きくなってきます。そのあたりの反応を見ながら、イニング、球数を増やしていく。そう考えると、あまり長いイニングはまかせられないから、復帰当初は中継ぎに負担がかかることになります。

 そうなるとシーズン終盤の、中継ぎの疲れが蓄積している時期での復帰は避けたいでしょうから、早い時期での登板もあるのかもしれない。チームの状況を見ながら、バランスを取ってということになるんでしょうね。本人は意欲的だし、日本での開幕シリーズでもキャッチボールをしっかりやっていたので、早めの復帰を期待したいところですけどね。

【プロフィール】

里崎智也(さとざき・ともや)

1976年5月20日生まれ、徳島県出身。鳴門工(現鳴門渦潮)、帝京大を経て1998年のドラフト2位でロッテに入団。正捕手として2005年のリーグ優勝と日本一、2010年の日本一に導いた。日本代表としても、2006年WBCの優勝に貢献し、2008年の北京五輪に出場。2014年に現役を引退したあとは解説者のほか、YouTubeチャンネルなど幅広く活躍している。
公式YouTubeチャンネル『Satozaki Channel』

五十嵐亮太(いがらし・りょうた)

1979年5月28日生まれ、北海道出身。1997年ドラフト2位でヤクルトに入団し、2004年には当時の日本人最速タイ記録となる158キロもマークするなど、リリーフとして活躍。その後、ニューヨーク・メッツなどMLBでもプレーし、帰国後はソフトバンクに入団。最後は古巣・ヤクルトで日米通算900試合登板を達成し、2020年シーズンをもって引退した。現在はスポーツコメンテーターや解説として活躍している。

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  • 佐々木?ああメジャーじゃなくてあと2戦したらマイナー落ちするから。
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