異世界モノは多くあるが、描かれている光景はほんの一部でしかない。とあるダンジョンを探索するためにやってきた勇者パーティと、彼らとばったり遭遇した謎の男・ロプトの奇怪なやり取りを描いた『あるダンジョンの日常』を読むと、異世界モノには様々な日常が存在していることに気づかせてくれる。
読者の想像力を掻き立てる物珍しい異世界モノの本作を手がけた河口けいさん(@kwgc_k)に、制作した経緯など話を聞いた。(望月悠木)
◼︎漫画"描く"ことで救われた
――そもそも、漫画を描くようになったキッカケは何なんですか?
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河口:中学2年生の時、病気になって気分が落ち込むことが多かったんです。ただ、絵を描くことがもともと好きで、そこで漫画を描き始めるようになったら気分が明るくなっていき、どんどん創作活動にハマっていきました。
――漫画を読んで救われたという人も多いですが、漫画を描いて救われたのですね。
河口:そうかもしれません。また、描いたものを友達に見せたら「面白い」と褒めてもらえたので、喜んでもらえる作品づくりを意識して描くようになりました。
――今回なぜ『あるダンジョンの日常』を制作したのですか?
河口:もともとは仕事で使わなかったネームなんですよね。ただ、担当編集さんが読んで笑っていたのでコマ割りなど少し見やすく修正して趣味として描きました。
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――RPG的な世界観を選んだ理由は?
河口:今もですが制作当時も異世界モノが流行っていました。しかし自分はあまり異世界モノに詳しくありませんでした。そこで「異世界モノに明るくない自分が描いたらこういう作品になるよ」というものを読者さんに読んでもらいたかったからです。また、「好き勝手しているキャラクターを作りたかったから」という部分も大きいです。
――異世界モノに詳しくないからこそ、勇者パーティはありがちな編成・ビジュアルだったのですね。
河口:はい。勇者パーティーはよくあるベタな感じにしました。また、ロプトは胡散臭い感じが出るように作り上げました。
◼︎笑えるポイントは「勢い」を大事に
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——いきなり「世界のあちこちに」というナレーションで始まり、世界観の説明をサクッと伝えられていたからこそテンポ良く楽しめたように思います。
河口:ギャグでもあるし、出だしの3ページ以内に作品を「面白そう」と思ってもらえないと読んでもらえません。「最低限の世界観がわかれば問題ないかな」と思い、簡単にナレーションで世界観を説明しました。
——本作の構成ですと、ページの1コマ目に笑えるポイントを持ってきている印象でした。
河口:雑誌や単行本など紙で読む場合は、左下の最後のコマに先が気になるような“ヒキ”を作ります。そして、ページをめくった最初のコマにインパクトのある“メクリ”を作るのが漫画の基本なので、その構成に当てはめて描きました。
――また、笑えるポイントはどのように考えていますか?
河口:描きながらとにかく勢いで考えています。
――見方を変えれば残酷な内容ではありますが、作品の雰囲気づくりで意識したことは?
河口:性格が悪いキャラクターが主人公ですが、読んだ後に楽しい気分になれるように気を付けながら制作しました。
――最後に今後の漫画制作における予定などあれば教えてください。
河口:趣味で描いていた『異世界に行ったら謎の生物に可愛がられた話』(KADOKAWA)という漫画を単行本にまとめてもらいました。4月10日に発売予定なのでチェックしてもらえると嬉しいです。今後も「仕事の漫画を描きつつも趣味の漫画も描いていけたらいいな」と思っています。
(文・取材=望月悠木)
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