
【写真】関根明良&島袋美由利のインタビュー撮りおろしが満載!
■キャラの信念と音楽の熱量に、声優陣も全力で応戦
――原作を読まれた際の感想を教えてください。
関根:オーディションの際に初めて原作を読ませていただいたのですが、「なんて面白いんだ!」というのが第一印象でした。続きが気になりすぎて、気づいたら当時出ていた全巻を購入していて(笑)。「この続きが早く読みたい!」とワクワクしながら、夢中で読んでいました。
作品全体にものすごい熱量があって、キャラクターたちの信念や音楽への想いがひしひしと伝わってきて。その熱に圧倒され、この作品に関わりたいと思いました。テープオーディションでは、全力で叫びすぎて喉がヒリヒリしたことを覚えています。それほどに彼女たちの熱が伝播し、惹き込まれる作品だなと感じています。
島袋:最初に読んだとき、「血湧き肉躍るとはまさにこのことだ!」と思いました。演奏シーンがとにかく熱くて、単なるテクニックのぶつかり合いではなく、心と心のぶつかり合いでもある。その激しさと熱量に圧倒されて、自然と作品に惹き込まれていきました。「この作品を演じられたら、きっとめちゃくちゃ気持ちいいんだろうな」と思いながら、どんどんページをめくっていました。
オーディションでも、普段は練習しすぎて声を枯らすことなんてないのですが、この作品の熱さに引っ張られて、つい全開でやりすぎちゃって……テープオーディションの時点で声が枯れちゃいました(笑)。でも、それくらい全力でぶつからないと、この作品の持つ熱さには到底かなわないなって。むしろ「抑えて演じるほうが違うな」と思うくらい、演じる側の限界をぶち破らせてくれるような、圧倒的なエネルギーを持つ作品だと思います。
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関根:りりさはもともと高貴な生まれではなく庶民出身ですが、それでも周囲の学友たちに憧れられるほど、完璧な淑女になろうと努力している子です。そのため、ロックな一面と淑女としての振る舞いを単純に対比させるのではなく、どちらも彼女の信念として一つの軸の上に共存していることを意識することを心がけていました。
島袋:何一つ中途半端にせず、信念を貫く姿勢が本当にかっこいいですよね。母親のために完璧な淑女であろうとしながらも、自分のためにロックを続けようとする。彼女にとって、一度ロックを捨てることは決して簡単な選択ではなかったと思うんです。だからこそ、「もう一度ロックと出会えてよかったね」と、つい親のような気持ちで見守ってしまいました。
――そうした背景も含めて魅力的な主人公ですよね。演奏シーンでは音羽に煽られて「叫ぶ」シーンも多いですが、感情を乗せる上で大切にしていることはありますか?
関根:彼女はとてもエネルギッシュで、感情が高ぶるシーンも多いキャラクターなのですが、ただ勢い任せに叫ぶのではなく、その奥にある信念や内に秘めた想いが伝わるよう気をつけています。とくに怒りのシーンでは、単に感情を爆発させるのではなく、彼女の真っ直ぐな気持ちや葛藤を表現できるよう、何度も挑戦させていただきました。
島袋:りりさが葛藤するシーンの演技を聞いていると、本当に「ロックが好きだからこそ、音羽の煽りに心底ムカついてるんだな」って伝わってくるんです。ただ単に煽られているのがムカつくというより、彼女のロックに対する想いがそこに乗っているからこそ、余計に感情が揺さぶられる。
それに、葛藤以外のシーンでも「この表現は何だ!?」と思わされる瞬間が何度もあって。たとえば「眠みぃ」とか、何気ないセリフでも毎回ニュアンスが絶妙に変わるんですよ。それが、今まで聞いたことのない音というか……。しかも、それを驚くほどのスピード感で次々と繰り出していく関根さんの演技に、ただただ圧倒されました。
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■淑女の品格とロックの衝動
――音羽は「学年で最も憧れられるお嬢様」という存在ですが、島袋さんが演じる際にとくに意識したことはありますか?
島袋:音羽は淑女としての優雅さを持つキャラクターなので、所作から意識して演じています。収録の際は、マイクの前に立つ姿勢を美しくしたり、背筋を伸ばしてみたり、台本を持つ手もピンと伸ばしたり。そうやって形から入ることで、音羽の持つ「品」を表現できるように心がけています。
関根:最初にお声を聞いた瞬間に「音羽だ!」と思いました。本当にトップの淑女のような優雅さや、背景に花が咲き乱れているような存在感を放っていて、もう「うわあ……!」とずっと、感動していました。
島袋:ありがとうございます! その一方で、演奏シーンでは彼女のエゴが強く表れるので、犬が尻尾を振るような無邪気さを持ちつつ、これまで人に頼みごとを断られたことがない子として、グイグイ押して、相手をかき乱すような表現を意識しました。りりさにとっては本当に厄介な存在に映るだろうなと感じながら演じています(笑)。
関根:りりさは本当にいつも煽られているんですよね(笑)。ただ、音羽の煽りってすごく純粋で。「私がお願いしてるんだから、断るなんてありえませんよね? え? こんなに楽しいことをなんでやらないんですか? なんでなんで?」みたいな感じで、笑顔でこちらをかき乱してくる。
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――りりさを煽っているときの音羽は本当に楽しそうですよね(笑)。
島袋:りりさって、めちゃくちゃ"ちょろい"んですよ(笑)。ちょっと声をかけただけで「はあ!?」ってすぐ反応してくれる。その可愛らしさが本当にたまらなくて。だからこそ、演じるときも「こう言ったらもっとムカつくだろうな」とか「どうやったら気持ちをかき乱せるかな?」って、つい考えちゃうんです。表情がコロコロ変わるから、いろんな感情を引き出してみたくなるし、それがまたすごく楽しいんですよね。
音羽はりりさに出会うまで同じことを楽しみながら、さらに言い合えるという状況にきっと巡り合ったことがなくて、だからこそ、「今、この瞬間を楽しんでいるけれど、同時に本気でブチギレている」という微妙な塩梅を表現できたらと思っていました。
それに、りりさのモノローグが本当に圧倒的で、演じているとつい持っていかれそうになるんです。でも、音羽はそれを意に介さない。「そんなの関係ねえ!」というスタンスでいるので、あえてセリフを“聞かない”くらいの気持ちで演じました。普通、お芝居では相手のセリフをしっかり聞いて反応するんですけど、今回はあえて聞かずに突き進むしかなかったですね。
関根:作品のテンポがバトル漫画のようで、「やられたらやり返す」「その上を行く」の応酬が続くんです。考えすぎるとその流れについていけなくなってしまうので、演じるときはあえて深く考えず、「私のロックでお前を圧倒する!」くらいの気持ちで、島袋さんから受け取った熱量に全力で応えられるように意識していました。
島袋:本当にテンポが命の作品なので、ちょっとでも考え込んでしまうと勢いが一気に失われてしまうんです。セリフの「てにをは」が正しいかどうかなんて確認する余裕もなく、とにかくその場でぶつかり合う。その中で、「負けるもんか!」という気持ちを常に持ちつつ、音羽としてその瞬間を楽しむことを大切に演じました。
■ぶつかり合う熱量が生んだ奇跡のシンクロ
――収録の中でとくに印象に残ったエピソードを教えてください。
関根:個人的にすごく印象に残っているのが、言い合いの応酬が続いて、最後同時に同じセリフを発するシーンです。こういう場面では、息を吸って合図を送ったり、目を合わせてタイミングを計ったりすることが多いんですが、今回はあえてそういうことをせず、お互い完全に“ガン無視”で挑んだんです(笑)。
きっかけは最初のテスト収録で、何の打ち合わせもなしにたまたまタイミングが合ったとき、「うわあ、奇跡だね!」って話していたんですが、いざ本番でお互いに合図を送ったら、今度は全然合わなくなってしまって(笑)。それで「やっぱり見ちゃダメだね」「考えすぎるとズレるから、もうパッションで行こう!」という結論になり、最終話までそのスタンスを貫きました。
結果的に、最後のシーンでも言葉が揃った瞬間があって、あのときは「おおっ!」となりました。本当に達成感がすごかったですね。収録を振り返っても、こういう“偶然の化学反応”が生まれる瞬間が、私自身楽しかったですし、毎回挑戦させていただいた所かなと思います。
島袋:普通だったらお互いに「せーの」とか、何かしらのタイミングを合わせる手段があるはずなんです。でも、それを一切やらずに演じたのが、すごく"りりさと音羽らしいな"と思いました。言い争いをしている最中に、そんな余裕なんてないですからね。お互い目を合わせずにぶつかり合ったということ自体が、作品づくりの一環というか、私たちも自然にその世界に入り込めていたんだなと感じました。それがものすごく気持ちよかったですね。
また、そういう掛け合いのシーンが何度かあったのですが、顔を見ないほうが自然とセリフが揃うんですよ。考えてみると、お互いの声を聞きながら、まるで音楽のリズムを感じるようにタイミングを取っていたのかもしれません。だからこそ、あの言葉の応酬自体が一種の"ロック"になっていたんだなと、今振り返ってもテンションが上がります。
関根:音響監督の菊田浩巳さんから「掛け合いの熱量を大事にしたいから、セリフが重なっても気にせず、流れのまま演じてほしい」と言われて。なので、どちらかがミスをしたらそのシーンの最初からやり直すという緊張感のある収録になりました。結果として、お互いの演技に煽られながら、予想していた以上の感情が引き出される場面も多くて。作中での彼女たちの熱量はこの作品の魅力の一つだと思うので、アニメでもみなさんに伝播されたら嬉しいです。
――最後に放送を楽しみにされているみなさんへメッセージをお願いします。
関根:本当にどのキャラクターも想像を超える"ギャップ"を持っていて、それぞれが強い個性と魅力を持っています。今回はりりさと音羽の話を中心にしましたが、今後登場するキャラクターたちも、また違った熱量と信念を持った存在ばかりです。
ただ単に"ギャップがあるキャラクター"というわけではなく、それぞれが一人の人間としてしっかりと確立されているからこそ、その二面性がより深みを増し、強く心を惹きつけるのではないかなと思っていて。彼女たちのロックへの熱量とともに、生き様も全身で感じてもらえたら嬉しいです。ぜひお楽しみくださいませ!
島袋:この作品は"ギャップ"こそが醍醐味なので、序盤はとにかくお嬢様としての姿をしっかり見せることを大切にしました。後半ももちろんその気品は保ちつつ……でも、"ここはただのお嬢様学校じゃない"という強烈なインパクトを残せるように、全員で作り上げていきました。
その積み重ねがあるからこそ、演奏シーンに入ったときの衝撃がより際立つんじゃないかと思います。視聴者のみなさんにも、ぜひ“頭をガツンと殴られるような衝撃”を味わってほしいです(笑)。そこからロックの魅力にどっぷりハマるもよし、彼女たちを全力で応援するもよし。音楽もキャラクターも存分に楽しめる作品になっているので、ぜひ最後まで見届けてください!
(取材・文・写真:吉野庫之介)
テレビアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』は、4月3日23時56分からTBS系28局にて全国同時放送開始。