
Appleは、3月12日にデスクトップパソコン「Mac Studio」シリーズの新モデルを発売しました。 プロセッサーを「M4 Max」や「M3 Ultra」へとアップデートしたモデルです。
ここでは「Mac Studio」の新モデルについて3つのポイントを追ってチェックしていきます。
●プロセッサーが2世代ラインアップされているが「M3 Ultra」搭載モデルが上位
今回のMac Studioでは、プロセッサーとして「M4 Max」または「M3 Ultra」を搭載しています。
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Mシリーズのプロセッサーのラインアップは、M3、M3 Pro、M3 Max、M3 Ultraという順に高性能になっていきます。プロセッサーの性能を左右するのはCPU内のトランジスタと呼ばれる回路の数で、上位のプロセッサーになるほどトランジスタ数が増えていきます。特にMaxとUltraは、Maxを2つ繋げたものがUltraとなるため、トランジスタ数も約2倍になるという関係性がありました。
今回発売されたMac Studioの新モデルでは「M4」と「M3」の2つの世代プロセッサーがラインアップされているものの「M4 Max」搭載モデルが下位、「M3 Ultra」搭載モデルが上位となります。
ちなみに、Mac Studioはデスクトップ型のMacシリーズにおいて、最上位の「Mac Pro」と、廉価モデルの「Mac mini」の中間に位置付けられてきた製品でした。しかし、現行のMac Proが搭載するプロセッサーは「M2 Ultra」です。今回のMac Studioのアップデートにより、現時点では、上位構成ならMac Proより高性能なプロセッサーを搭載することになります。
●前モデルからの仕様の変更点
続いて、前モデルと比べた際の主な仕様の変更点をチェックしましょう。
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重要なのはやはりプロセッサーの刷新に伴う部分の変化です。まず、プロセッサーのコア数は最大24コアから最大32コアへ、GPUのコア数は最大76コアから最大80コアへと選択できる上限が増えています。
またメモリの上限は最大192GBから512GB、メモリ帯域幅は800GB/sから最大819GB/sへと増加してます。ストレージの選択肢も最大8TBから16TBに上がっています。
仕様表のメディアエンジンに関する記載を確認すると、新たに高効率な動画フォーマットである「AV1」デコードをサポートしていることもポイントです。
ポートに関しては、従来モデルのM2 Max版がThunderbolt 4×4、USB Type-A×2、USB Type-C×2、HDMI、10Gb Ethernet、SDXCカードスロット(UHS-II)で、M2 Ultra版がThunderbolt 4×6、USB Type-A×2、HDMI、10Gb Ethernet、SDXCカードスロット(UHS-II)でした。
一方、新モデルではM4 Max版でThunderbolt 5×4、USB Type-A×2、USB Type-C×2、HDMI、10Gb Ethernet、SDXCカードスロット(UHS-II)で、M3 Ultra版がThunderbolt 5×6、USB Type-A×2、HDMI、10Gb Ethernet、SDXCカードスロット(UHS-II)です。搭載するポートの種類と数は基本的に変わりませんが「Thunderboltの世代」が1つ新しくなっています。
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ちなみに「Thunderbolt 4」の転送速度は40Gbps、「Thunderbolt 5」の転送速度が80Gbps〜120Gbpsです。高解像度動画の外部ストレージへの保存などもより素早く行えるでしょう。
●価格感をチェック
Mac Studioの価格は、最小構成で32万8800円(税込、以下同)からで、Macシリーズのなかでも高額な部類です。
M4 Max搭載モデルならば、動画編集や、楽曲制作、AI処理などクリエイティブな用途を想定しつつ、下位モデル「Mac mini」ではスペック不足を感じるような場合に候補となるでしょう。
ただし、ディスプレイやキーボードも別売で用意することになります。Mac miniからのステップアップで購入を検討するならば、既存のアクセサリを流用すればコストを抑えられますが、周辺機器がない状態から導入する場合には、さらに予算がかさむイメージを持っておきましょう。
上位のM3 Ultra版は、最小構成でも66万8800円からで、M4 Max版と比べても倍以上の価格になります。
大規模言語モデルを駆使する作業や、3Dのレンダリング、DNAの配列の分析、高解像度の動画編集など、専門職での活用や研究用途など、パソコンのスペックが求められる際の選択肢となる理解で問題ないでしょう。