

そんなある日のこと。休日に、ヒナをベビーカーに乗せて夫と街に買い物に出かけました。ヒナの様子を見ながら買い物を楽しんでいると……。

夫の同僚3人と偶然会ったのです。


同僚の1人が「いいな〜! 幸せいっぱいって感じじゃん! あーーー俺も早く結婚してぇ〜」と、私たちに羨ましそうに言いました。その後も夫と同僚の人たちは、じゃれ合いながら楽しそうに話しています。私がそんな光景を微笑ましく眺めていると……。

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その後、山根さんはなにやら考え込んでいました。

なにを隠そう、私はこの山根さんにあまりいい印象がありません。結婚前に会社の同僚さんたちに私を紹介がてら食事に行ったことがあります。そのときの山根さんは盛り上げ上手なムードメーカーではあったのですが、ところどころ空気が読めない発言を繰り返し、ドン引きした記憶があるのです。



結婚してから今日まで、平穏に過ごしてきました。そりゃ育児が大変でめげそうになることもたくさんありましたが、夫はどんなときも私に寄り添ってくれて優しいし、夫が絶対的な味方でいてくれるというだけで本当に心強かったのです。そんな中での山根さんの発言は、久々に私の心をざわつかせてくれました。別に「デキ婚」が悪いわけではありません。そういう選択肢もありでしょう。
ちなみに私たちは、子どもを授かるかどうかは自然に任せようと、治療はしてきませんでした。妊娠まで時間がかかったのは不妊だったからなのか、今では分かりません。しかし、こちらの事情も知らない他人にそんなことを指摘されるなんてありえないと思ってしまったのでした。
【後編】へ続く。
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