1台3役/世界最薄スマホ、超簡素/QWERTYキー付きケータイも MWC 2025で発見した個性派携帯たち

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2025年04月07日 15:51  ITmedia Mobile

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4.3型のE Inkディスプレイを搭載する「Mudita Kompakt」

 3月3日〜6日にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル展示会「MWC Barcelona 2025」。サムスン電子やXiaomiなどの大手メーカーだけでなく、日本では知られていない新興メーカーも含め、世界から多くの企業が出展し、最新デバイスを披露した。その中から筆者が個人的に気になった7製品を紹介する。


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●イヤフォンにもウォッチにもなる「OUKITEL WP200 Pro」


 中国・深センを拠点とするスマホメーカー、OUKITELのブースで注目を集めていたのは “1台3役” のスマホだ。背面に小さなサブディスプレイを搭載し、それを外すとワイヤレスイヤフォン(Bluetooth通話に対応)として使えて、付属のベルトに装着するとスマートウォッチにもなる。


 OUKITELは耐久性に優れたスマホ・タブレットを専門に手掛けるメーカーだが、このWP200 Proも頑強な作りで、8800mAhの大容量バッテリーを搭載。ただしボディーは331gとかなり重めだ。価格は約700ドル(約10万円)となっている。


●世界最薄スマホ「TECNO SPARK Slim」


 MWCの会期中、ずっとにぎわっていたのがTECNOのブース。TECNOは中国・深センに本社を置く新興メーカーで、ここ数年、急成長を遂げている。2024年はローラブルディスプレイを搭載したコンセプトモデルを展示して注目を集めたが、2025年は5.75mmの世界最薄スマホ「TECNO SPARK Slim」が大きな話題となった。


 薄型スマホといえば、サムスンが「Galaxy S25 Slim」を発表し、スペックは公開されていないが、薄さは6.4mmといわれている。TECNO SPARK Slimは、それより0.65mm薄く、もはや限界と呼べる薄さだ。しかし、5200mAhの大容量バッテリーを搭載し、50メガピクセルのデュアルカメラも搭載。コンセプトモデルとしての出展だが、実際に操作できる端末として展示され、この薄型化技術を用いた商用モデルの発売を予定しているとのこと。


 なお、TECNOはMWCの開催に合わせて「CAMON 40シリーズ」を発表。グレードが異なる4モデル展開で、カメラ性能と独自のAI機能に注力。非常に完成度が高く、日本市場でも支持されるのでは? と感じた。


●1週間使い続けられる「TCL 60 SE」


 中国の総合家電メーカー、TCLは、独自開発の「NXTPAPER」というディスプレイを搭載する「TCL 60 SE」という最新モデルを出展していた。


 NXTPAPERは、電子ペーパーのように反射を抑える性質を持ち、サラサラとした質感が特徴。消費電力が少なく、目にやさしいことも利点だ。「Max Ink」「Ink Paper」「Color Paper」の3つのモードを切り替えることができ、最も消費電力が少ないMax Inkモードでは、最大1週間の連続使用を見込めるという。


 ディスプレイサイズは6.7型で、一般的なスマホと同じように使えて、50メガピクセルのデュアルカメラも搭載。TCL 60 SEは、発売済みの「TCL 60」の廉価版とあって、価格も189ユーロ(約3万円)とお手頃だ。TCLのスマホは、一時期日本でも発売されていた。もし、日本で発売されたら、コスパや電池持ちを重視するライトユーザーに人気を集めそうだ。


●簡素すぎるケータイ「Mudita Kompakt」


 うっかり通り過ぎそうな小さなブースで見つけたのが、E Inkディスプレイを搭載したコンパクトなケータイ「Mudita Kompakt」。Muditaはポーランド・ワルシャワ発のメーカーで、ミニマリスト向けのシンプルな製品を展開している。


 形状としてはスマホに見えるが、実は4Gまでに対応するフィーチャーフォン。電話、SMS、カメラ、カレンダー、電卓などのアプリを搭載し、オフラインで使えるマップをダウンロードすることもできるという。しかし、残念ながら日本語には対応していない。


 デュアルSIM(nanoSIM+eSIM)で使えて、電池は最大6日間持つとのこと。439ユーロ(約7万1000円)とスペックのわりには高いが、あえてシンプルなケータイが欲しいというニーズもあるだろう。


●QWERTYキーボード付きのフィーチャーフォン「FROG Poket2」


 今回のMWCでは、あちこちで折りたたみスマホを見かけたのだが、スマホと思って手に取ったらフィーチャーフォンだったのがこれ。FROGの「Pocket 2」という製品だ。開くと、上がディスプレイで、下がQWERTYキー。“折りたためるBlackberry”といった趣きだ。


 日本ではスマホが普及する以前は、折りたたみ式ケータイが主流だったが、折りたたんでも縦に長いものがほとんどだった。Pocket 2はGalaxy Z Flipやmotorola razrのような正方形に近いデザインを採用しているおり、一見スマホに見えるのが面白い。スマホが普及した今でも、通話をメインに使いたい人は多く、フィーチャーフォンには一定のニーズがあるようだ。


 なお、FROGは中国・深センのスマホメーカーで、折りたたみ式スマホも販売している。しかし、目玉として展示していたのは折りたたみ式ケータイで、ニッチな市場を狙っている印象を受けた。


●みんなで音楽を楽しめる「nubia Music 2」


 広大なブースを構えていたZTEのブースには、日本でも発売された「nubia Flip 2」「nubia Z70 Ultra」、そして、新たに発表されたゲーミングスマホ「nubia Neo 3シリーズ」などが展示されていた。


 筆者が個人的に「日本でも発売してほしい」と思ったのは、音楽再生に特化したスマホ「nubia Music 2」だ。2.1チャンネル(ステレオスピーカー+サブウーファー)のスピーカーシステムを搭載し、一般的なスマホの約6倍のボリュームで音楽を聴けることが特徴。背面パネルには派手なデザインが施され、AIがリズムを解析し、LEDが点灯する機能も備えている。


 80ユーロ(約1万3000円)という安さで、6.7型のディスプレイは120Hz駆動に対応。50メガピクセルのカメラも搭載している。なお、前モデルの「nubia Music」は2つのイヤフォンジャックを備えていたが、nubia Music 2では1つだけになっていた。


●一眼用レンズを取り付けられるrealmeのコンセプトモデル


 2021年に日本でも製品をリリースしたことがあるRealmeも出展していた。筆者の記憶に間違いがなければ、今回が初出展のはずだ。


 Realmeは中国・深センに本社を構えるメーカーで、アジア地域での成長が著しい。今回のMWCに合わせて、「realme 14 Proシリーズ」を発表したが、それ以上に注目を集めていたのが、デジタル一眼用のレンズを装着できるコンセプトモデル「realme Interchangeable-lens Concept」だ。


 1型のイメージセンサーを搭載しているが、そのままでは撮影できない。専用のマウントアダプターを装着し、レンズを取り付けて撮影する仕組み。デモに使われた端末にはライカのレンズが装着されていた。なお、スマホ単体で撮影できるカメラも搭載されており、高画質で撮りたい場合のみレンズを付けるという仕様だ。


 Xiaomiはスマホと連携するレンズカメラのコンセプトモデルを出展していたが、スマホカメラの高画質化競争が新たなフェーズに入ったという印象を受けた。


 2025年のMWCで最も注目を集めたスマホメーカーは、「Xiaomi 15シリーズ」を発表したXiaomiだ。世界市場で苦戦しているHuaweiも例年通り、巨大なブースを構え、3つ折りスマホは多くの来場客から注目されていた。それ以外に筆者が気になった製品を振り返って見ると、ほとんどが中国メーカーのものだった。この勢いは、しばらく続くだろう。



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