
大阪府在住の60代女性・だいすきさんは、5年ほど前、とても大変な日々を送っていた。
【プレイリスト】音声で聞く体験談
母の介護に病気の妹夫婦の手助け、そしてまだまだ幼い2人の孫のお世話。すべてが彼女の身にのしかかっていたという。
その日は妹が入院している病院に行くことになったのだが、駅に着いた時には外は大雨になっていて......。

孫を連れて病院へ(画像はイメージ)
<だいすきさんからのおたより>
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5年ほど前、私は母の介護をしながら、昼間は近くに住む長男の子2人(3才と1才未満)を預かっておりました。
それだけでも結構きつかったのですが、病気で入院中の妹の夫まで難病で入院することになり、毎日毎日孫を連れて、あっちの病院へ行き、こっちの病院へも行き、そして夕方の決まった時間にはデイサービスから帰る母を迎えるために遅れずに帰宅しなければならないという日々に。もう思い出してもしんどいことの連続でした。
そんなときに、神様のような人に出会ったのです。
タクシーも捉まらず、大雨の中病院へ
ある日、妹の入院先より、届け物の依頼がありました。
その日は雨の予報でしたが、午前中はなんとかもつかもしれない感じでしたので、下の孫(上の孫は幼稚園)を抱っこ紐で連れて行くことにしました。
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ところが電車に乗った頃から雲行きが怪しくなり、病院の最寄り駅に着いた時にはもう天の底が抜けたような降りようで、駅前のバスターミナルまでの短い距離さえ歩くのが難しいほどでした。

電車を降りたら大雨で(画像はイメージ)
病院まではタクシーでおそらく1メーターの距離。使おうかとも思いましたが、当然長蛇の列で、しかもなかなかやってきません。GOアプリも、手配できないだったか反応しないだったか当てにならず......。
今思えばもうその日は諦めて帰ればよかったのですが、そのまま病院に荷物を届けたのでした。
しかし、帰りには雨がますますひどくなっていて、病院のタクシーを呼ぶ電話も反応しません。もちろんGOアプリも同様。そうこうしているうちに孫のご飯の時間が迫ってくるしで、大雨の中傘さして歩いて約10分の最寄駅を目指すことに。
すると、2分ほど歩いたところで、一台の車がそばに止まったのです。中から一人の女性が声をかけて声をかけて下さりました。
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服までビショビショになった彼女たちを...
「大丈夫ですか? どこまで行きはるの? 乗って行かれますか?」
神様のように思えました。
「お洋服もビショビショでこんなですけど」と言いましたが、女性は快く承知してくださり、最寄駅まで連れて行ってくださることに。
車内ではほっとして、脱力状態。孫に「ごめんね、ごめんね」と謝りながら、この方にどう感謝の気持ちをお伝えしたらいいのだろう、とか、いろいろなことが頭の中を駆け巡りました。

1台の車が止まってくれて...(画像はイメージ)
お金払うのは失礼な気もするし、かと言って......。あー何も思い浮かばん。そうこうするうち、駅に到着。「ここでいいですか? 大丈夫?」とまた言ってくださって、「もうあなたは神様です」なんていろいろな言葉が頭を駆け巡りますが、同時に「この子のご飯どこでどうしよう」と孫のことが気になりだし、通り一遍のお礼の言葉だけを述べて下ろしていただいたのでした。
あれから何人かにこの話をして、「どうすればよかってんやろー」と聞きましたが、妙案はなく......。
本当に、どうすればよかったのか。ただただ、ありがたく思い出します。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)