ベッセント米財務長官=3月13日、ワシントン(AFP時事) 【ワシントン時事】ベッセント米財務長官は7日、トランプ米政権の一連の関税政策を巡る対日交渉を主導すると表明した。Xに投稿した。関税だけでなく、通貨問題や政府補助金なども議論する意向を示した。日本は、他国に先駆けて交渉開始の約束を取り付けたが、米政権は非関税障壁を問題視しており、厳しい交渉になりそうだ。
ベッセント氏は、FOXビジネスのインタビューで、日本は安全保障でも経済面でも「重要な同盟国だ」と指摘。対日交渉には優先的に取り組む考えを表明した。一方で「日本の非関税障壁はかなり高い」とも強調した。
他国との交渉では、関税水準、非関税障壁、為替操作の有無、産業補助金の4分野を重視すると説明。相互関税への報復をしない国に対しては「良い交渉を通じ、相互関税の水準が下がることを期待している」と話した。
米政権は、日本が輸出で有利になる円安を問題視。自動車市場の非関税障壁の撤廃、コメなど農産物の市場開放なども日本に要求する可能性が高いとみられている。
トランプ氏は7日記者団に、「円相場などを下げているため、(輸出競争力が低下し)多くの米企業が製品を売ることができない」と円安への不満を表明。米国の自動車や農産物の輸出を拡大する必要性も強調した。
トランプ氏は大統領就任以来、矢継ぎ早に高関税政策を打ち出し、鉄鋼・アルミニウムや自動車への追加関税を発動。2日には、ほぼ全貿易相手国を対象にした相互関税を導入し、日本には24%の関税率を適用すると発表した。
トランプ氏と石破茂首相は7日に電話会談し、両国が担当閣僚を指名し、交渉を始めることで合意していた。