「豆盆栽」のヒメウツギ…小さな盆樹に咲く白い花、見事に仕立てられた一鉢に反響「美しい小宇宙」「心の声が聞こえる」

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2025年04月08日 16:20  まいどなニュース

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ヒメウツギの豆盆栽が「X」で話題に(画像提供:善福寺まことさん ※動画よりキャプチャ、画像を一部トリミング)

 手指でそっとかかげられた小さな鉢に植わった樹、その上に咲く可憐な白い花…日本人の盆栽作家による「ヒメウツギ」の「豆盆栽」の投稿が「X」で注目を集めました。

【写真】愛らしい花が咲いた、「豆盆栽」のヒメウツギ

 「ヒメウツギを植え替えた。この樹がいつからどうやって私のところにいるか、もう忘れてしまった。少なくとも10年は経つが、変わらず元気そうだ。

 この鉢を育ててきた経緯とともに、4月ごろに開花予定だという現在の芽吹き姿を映した動画と、3年前ほど前の春に咲いた可愛らしい花姿の写真を投稿したのは「善福寺まこと」(@macotisima)さん(以下、善福寺さん)です。

 善福寺さんは20代からの植物趣味が高じて30歳頃から盆栽を始めたといいます。現在は手のひらにいくつも載るほど小さな鉢に植えた「豆盆栽」だけでなく、「盆栽鉢作り」も15年ほど手掛けつつ、「豆盆栽/豆盆栽鉢作家」として活動中です。

称賛の声、続々

「物理的に声も出さないものを 長く慈しめるって素晴らしいですね。 心の声が聞こえるのでしょう。」
「美しい 小さな宇宙」
「ウチにもヒメウツギありますが、ヒメウツギってこんなに小さく仕立てられて花も付けるんですね。すごい。」
「小さな鉢はお水の管理がとても難しい。尊敬します」

 投稿には、無限の魅力を感じさせる世界観や技術の高さを称賛する声が届きました。

 また引用ポストにて
「豆盆栽という世界を 初めて知りました… 心うばわれた」
「この世界知らなかった…」
「同じこの世に生きてはいても、まだまだ知らない世界はごまんとあると思い知らされる。とっても愛らしい…すてきな人ってすごいなぁ…」
などとその存在を初めて知った、魅了されたという声も寄せられています。

 たくさんの人を感動させたこの豆盆栽について善福寺さんにお聞きしました。

樹の性質を見極め、その魅力を引き出す

――この鉢を仕立てるにあたり、こだわった点は?

盆栽は作為と無作為の間に生まれる表現で、その比率によって作風や手段、その哲学も変わってきます。私自身は、盆栽は自然の中のその樹らしさを季節感と共に景色として鉢の中に表現するものと思っていますので、植物を盆栽的な樹形に押し込めることを目的とするのではなく、その樹種その素材の持ち合わせた性質や魅力を引き出すという点に焦点を置いて取り組んでいます。

――自然なままの姿を大事にされていると。

ハサミ作りと言いますが、針金で成形することもほとんどなく芽摘みや剪定で樹形を仕立てるため、「作る」というよりは「育てる」という感覚のほうが強いです。

――「ヒメウツギ」とはどんな木なのでしょうか。

ヒメウツギは山野に自生する落葉低木です。低木というグループを昔は灌木(カンボク)と言いましたが、高木と呼ばれる松や梅、モミジなどと違って主幹を作らず、株元から何本もの小幹が立ちあがる株立ち状に育つ樹木です。

鉢にもこだわりが

――美しい白い花がたくさん咲くのですね。

そのようなヒメウツギの一番の見どころである花姿を最大限に楽しませていただけるよう、鉢は十年以上前からこの蝶々の絵鉢に入れています。この鉢がこのヒメウツギに景色とストーリー性を付加して想像の翼を刺激してくれています。

インスタでのフォロワー数は10万以上、その9割は海外勢

――大きな反響があったことへの感想はいかがですか。

実は私のInstagramアカウント(@makoto_zenpukuji)では以前に別の投稿で大きな反響をいただいておりまして、フォロワー数が10万以上ございます。ただこちらは海外の方がメインとなっており、日本の方は1割程度です。その点、今回の「X」でのバズりは、皆さんの反応から日本国内、日本語圏で起きたというのがわかり、より身近なものと感じています。

――引用ポストで「豆盆栽という世界を 初めて知った」という声も届いています。

私がこの小さな豆盆栽を学んだのは現在80代の方からで、つまりこのジャンルは決して新しいものでなく、ずっと昔から一部のもの好きな愛好家たちによって育てられてきたものです。そんな日本の文化を今回のバズりによって皆さんに知っていただく機会になれば光栄です。

日本国内からの反響を得た喜び

 近年、日本から海外に向けた盆栽の輸出額が増加し、世界的な「BONSAI」ブームが来ているといわれています。そんな中、今回のポストが国内で注目を集め、反響を得たことを喜ぶ善福寺さん。

 さらに善福寺さんは「盆栽ではその植物の一番の見頃により楽しめるよう、植える鉢の形や素材、色や絵を予めイメージして選びます。豆盆栽はその大きさゆえか昔から鉢で楽しむ要素も強く、渋い色合いから派手な絵鉢まで様々な鉢が使われてきました。そんな豆鉢の世界にも注目していただけると嬉しいです」と鉢をも含めた豆盆栽の楽しみ方を教えてくれました。

 アカウントのタイムラインには美しい豆盆栽や鉢が多数投稿されていますので、この奥深い世界に興味のある方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

(まいどなニュース特約・山本 明)

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