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「もともとドジャースはロバーツ監督をはじめ、首脳陣は反トランプなのです。本来なら面会はしたくなかったのが本音ですが、それを見越してか、トランプ大統領側は『MVPに会いたい』と大谷選手を暗に指名する要望を出してきました。彼は明らかにドジャースではなく大谷選手に関心があったのでしょう」(在米ジャーナリスト)
4月8日(日本時間、以下同)、大谷翔平選手(30)はじめ、ドジャース軍団はトランプ大統領(78)の招待を受けてホワイトハウスを表敬訪問する。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2025』の著者でスポーツライターの友成那智さんは言う。
「メジャーリーグ優勝チームによる表敬訪問は、1924年のワシントン・セネタースから始まったといわれています。約30年前からアメリカ“四大スポーツ”、アメリカンフットボール、ベースボール、バスケットボール、アイスホッケーの優勝チームをホワイトハウスに招くのが慣例です。
本来、大統領が招待する目的は、政治的なものではなく、スポーツを通じて国民の団結を奨励するものでした。とはいえ、あのトランプ大統領の頭には、ロサンゼルスではかねて共和党の支持率が低いので、これで挽回したい思いもあるかもしれません」
ロバーツ監督は’18年、当時大統領だったトランプ氏から自らの采配について「ビッグミステイク(大きな誤り)」とSNSで批判され、’19年にワールドシリーズで優勝しても表敬訪問を拒否する姿勢を示唆していた。また、大谷の同僚・ベッツ選手はレッドソックス在籍時代の’19年、表敬訪問に参加しなかった過去もある。だが――。
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「今回の訪問についてロバート監督は早々に“光栄だ。わが国で最高の地位を尊重する”と参加する意向を示し、ベッツ選手も“チームとしての参加”を決めていました。決断についてはロバーツ監督自らが言っているように『政治的なことではないし、(政治的なことに)したくない』のが真意です。
しかし今回、トランプ大統領は全世界に“トランプ関税”を高らかに発表しました。チームは多国籍の選手で構成されています。そんなメンバーたちと笑顔でホワイトハウスで面会する。その様子を全世界に報じることで政治利用しようとしているのは明白です」(前出・在米ジャーナリスト)
■「ショー(翔平)は俺に次いでイイ男」
“強い男”を標榜しているトランプ大統領は今月3日、ホワイトハウスで貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえ、自国の関税を引き上げる「相互関税」として、中国に34%、インドに26%、日本には24%の関税を課すことを明らかにした。日本国内でも大きな波紋が広がっている。そんな“強い男”トランプ大統領でも“一目置く日本人男性”が一人だけ存在した。それが大谷なのだという。前出の友成さんは続ける。
「実はトランプ大統領は大の野球好きで、母校のニューヨーク・ミリタリー・アカデミーでは実際に野球をやっていました。かつて“私はNYで最も優れた野球選手だったが、当時は野球を通じて大金を得られなかったから限界を感じやめた”と主張していました。
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ニューヨーク州出身の彼はヤンキースの先代オーナーと仲がいいこともあり、長年のヤンキースファンでした。何度もヤンキー・スタジアムを訪れて観戦しています。“次期オーナーになる”との噂も流れたほどです」
’18年4月、トランプ大統領は安倍晋三首相(当時、以下同)との会談で大谷を「ショー」と呼び「打って、投げて、すごいじゃないか。ベーブ・ルースみたいだ」と称賛。
また同年12月には安倍首相がエンゼルス時代の大谷とともに都内でおこなわれた日本プロスポーツ大賞受賞式典に登壇。この会談の際、首相秘書がスマホで大谷の画像を見せると「メラニア(夫人)、世界で俺に次いでイイ男だ!」と大絶賛した逸話を披露していた。
「今まで、メジャーの日本人選手で表敬訪問した選手は松坂大輔さん、岡島秀樹さん、上原浩治さんらがいますが、直接言葉を交わしたことはないと思います。トランプ大統領が認めた男である大谷選手は“第一号”となりますね。公の場では時間も限られていますからせいぜい一言、二言会話する程度だと思います。
ただ、室内での式典後にテラスにみんなで出るんです。そこで歴代大統領の中で唯一ペットを飼っていないともいわれるトランプ大統領が大谷選手に愛犬デコピンのことを自分から聞いてくるかもしれません。妊娠中の真美子夫人のことに触れる可能性もあります。ユニコーンと呼ばれ、想像を超える結果をもたらす大谷選手との初対面で、トランプ大統領の日本への感情が変わったら、それはまた信じられない大谷効果ですよね」(前出・友成さん)
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実際、政界関係者は大谷に大きな期待を寄せているという。
「経済産業省の幹部たちは『トランプ関税で不満をもつ日本人が大勢いる。大谷選手の実兄はトヨタ自動車東日本の硬式野球部監督を務めていることもあり、大谷選手が表敬訪問で終始、毅然とした態度で接してくれたら、日本人の気持ちが晴れるかもしれない』と話していました。トランプ大統領も大好きな大谷選手だけには嫌われたくないでしょうから……」
窮地に立たされている日本人の盾に――。もはや大谷は野球だけでなく、日本の未来を背負う存在なのだ。
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