
イギリスのトイレで発見した注意書き…ユーモアに富んだひとことに思わず笑みが! 発見したロンドン在住の日本人のマギーさん(@maggie.london.maggie)に話を聞きました。
トイレのフタの裏に貼ってあったシールには、
「流さないでください
おむつ、生理用品、ペーパータオル、ガム、古い電話、未払いの請求書、ジャンク(迷惑)メール、元恋人のセーター、希望、夢、金魚」
(原文:「Please don’t flush Nappies, sanitary towels, paper towels, gum, old phone, unpaid bills, junk mail, your ex’s sweater, hopes, dreams or goldfish down this toilet」
「こんなとこにもジョーク、さすがだね」と感心したマギーさん。特に最後のチョイス“金魚”が突飛すぎたのも印象的だったそうです。
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この投稿に、
「セータのチョイスが好き。手編みかな」
「新婚旅行でイギリス(ロンドン)に初めて行きました!その時に露店のおじさんが、テントに溜まった雨水を捨てる時に、その水で頭を洗うようなユーモアを見せてくれました。それ以来、イギリスは何となくユーモアのあるイメージです」
「流石!Mr.ビーンの国!!」
「こういうユーモアのセンスって、どうしたら磨けるんでしょう?素敵すぎます」
「確かに(希望)は捨てちゃダメダメ。トイレの蓋にえぇ事言われた」
と、最後まで注意書きを読んで、しかもクスリと笑えるワザを絶賛。
今回、この文言を発見したのは、イギリス人の旦那さんの実家に帰省するため電車に乗った際のこと。ほかに生活の中でどんなユーモアやブリティッシュ・ジョークに出会うのか、「イギリスたまにあるある」を漫画形式でInstagramに投稿しているマギーさんにお話を聞きました。
ユーモラスにしてくれるセンスが素敵
――公共の場や施設でこういった表記はよく目にするものですか?
今回の投稿は「South Western Railway(サウスウェスタン鉄道)」に乗車した際に出会ったトイレだったのですが、地下鉄のインフォメーションボード(運行状況などをお知らせするもの)に気の利いたことが書いてあったり、商品のキャッチコピーがジョークになっていたりするのはよく見かけます。
例えば、ねこ関係の商品でPurr(パー、ねこのゴロゴロ音)にかけて「Purrfect」(Perfect【パーフェクト=完璧の意味】)などはよく見ますね。
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加えて、イギリスはカード文化なんですが、カードのメッセージもジョークになっているものが多くて楽しいです。
――他に印象的な場面に出会ったことは?
以前ブログでも書いたことがあるのですが、カフェのテラス席で犬に吠えられた時、飼い主のおじさまが「今のは“ I like you(君が好きだ)”って意味だよ」と言って場を和ませてくれたことがありました。普通なら「すみません」と謝られて終わりますが、状況をちょっとユーモラスにしてくれるセンスが素敵だなあと思いました。
また、イギリスのあるインテリアショップの広告に、「No Divorce(離婚しません)」的なコピーがありました。これは同じインテリアを扱うIKEAに対する風刺らしく(IKEAに行くと待ち時間やら膨大な商品数のせいでイライラしたりケンカするカップルが多いという話があり。対してうちはそうじゃありませんよ、という意味)、イギリスらしい洒落がきいたコピーだなと思いました。
――言葉の使い方が巧みだなと感じます。旦那さんもジョークを交えてお話を?
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よく言います。でも複雑でよく分からなかったり、そもそも面白くなかったりします笑。モンティ・パイソン(イギリスを代表するコメディグループ)など昔のコメディの有名なフレーズをよく教えてくれたりもします。
――「イギリスはユーモアの国」という言葉を耳にしますが、なぜそのように定義されることが多いと思われますか?
ちょっと皮肉めいていたり自虐的な国民性だからでしょうか? あとは政治家などをジョークでバカにしたりすることも多い印象です。
完全なる私の見解ですが、「紳士の国」というのも関係あるのではないかと。特に男性は会話がお上手なので、その中でユーモアも発展したのではないかと感じています。
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日本では、公共の場の告知や注意書きといえば「きっちり、かっちり」といった真面目で丁寧な文体と内容が常ですが、こういった遊び心ある表記を目にするとフッと気持ちがゆるみますね。ふとした日常の一コマから文化や国民性の違いが感じられるのも面白いです。
マギーさんは、日英夫婦のロンドン生活の様子や、文化のこと、日本との違い、一緒に暮らすブリティッシュショートヘアのTAROくんとの日々を絵日記にしてブログやInstagramにて発信中。ほのぼのとしたイラストとお二人のやりとりにハマる読者が増えています。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)