写真 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2020年4月9日 記事は取材時の状況)
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結婚には勢いも必要と言いますが、勢いに任せ過ぎて痛い思いをすることも…。
本郷奏多似のイケメン男子、山本貴史さん(仮名/30歳)は、同年代の友人と比べても、以前から結婚願望が強かったと言います。
◆気がついたら30歳目前
「歳の離れた兄が、早くに結婚した影響があるかも知れません。両親も20代前半で結婚したと聞いていますし、昔から結婚願望がありました」
そう語る貴史さんは、本郷奏多を彷彿(ほうふつ)とさせるイケメンである上に、外資系企業に勤めるハイスペック男子。寄ってくる女性は多かったのではないでしょうか?
「確かに、学生時代はそこそこモテていました。でも、社会人になってからはなかなかいいご縁がなくて…。仕事も楽しかったし、気がついたら30歳目前です」
漠然(ばくぜん)と20代のうちに結婚するだろうと思っていた貴史さんは、30代を目前にして急にアセりを感じたと言います。
◆理想の女性との出会い
そんな時、友人の紹介で、箱入り娘感のある女性のミドリさん(26歳/仮名)と出会い、貴史さんは一目惚れをします。
「ミドリさんは少し世間離れした雰囲気のある女性で、とても清楚で美しい人でした。一瞬で惹かれて、話をすると少し天然な感じが可愛くて、さらに惹かれました」
「この人だ!」と確信した貴史さんは、猛烈なアプローチを開始。「結婚を前提として付き合って欲しい」とミドリさんを口説き倒し、無事、お付き合いがスタートしました。
◆お義母さん登場
順調にデートを重ねる貴史さんとミドリさん。4回目のデートの時に、貴史さんが待ち合わせのレストランに向かうと、ミドリさんはお義母さんと一緒に居たと言います。
「彼女のお義母さんは地方に住んでいると聞いていたので、突然いらっしゃってびっくりしました。でも、わざわざ会いに来てくれたんだと嬉しかったですね」
お義母さんは東京から飛行機で1時間ほどの地方に住んでいるものの、月に数回はミドリさんの様子を見にくるのだそう。ミドリさんとお義母さんは隣り合った席に座り、とても仲が良い様子でした。
「お義母さんも僕と彼女のお付き合いを喜んでくれているようだったので、ほっとしました」
いつもと違い、甘えん坊な娘の顔を見せるミドリさんを「可愛いな」と思った貴史さん。しかしこの後、ミドリさんとお義母さんの会話に耳を疑います。
◆そんなことまで言う?
姉妹のように仲が良いミドリさんとお義母さんを、暖かく見守っていた貴史さん。しかし、ふたりの会話を聞いて驚きを隠せませんでした。
「お義母さんは『貴史くんとはどこまでいってるの?』って聞いたんです。そしたらミドリさんが『昨日は初めてしたの』って…。ええっ!?って声には出しませんでしたが、とても驚きました」
実は、お付き合いする女性の両親に会うのは今回が初めての貴史さん。ふたりの赤裸々な会話に度肝を抜かれましたが、女兄弟がいない貴史さんは「女性とお母さんの関係ってこんなもんなのだろうか…?」とも、思ったのだそう。
◆同棲スタート
付き合ってすぐに、同棲を提案していた貴史さん。お義母さんのことが少し気になりつつも、深くは気にせず、交際開始から1ヶ月後には、新居で同棲をスタートします。
「同棲スタートした翌日に、またお義母さんが訪ねていらっしゃいました。まだ段ボールが散らかっていて申し訳なかったのですが…」
お義母さんは、荷物の開封を手伝い、ミドリさんとふたりで部屋のコーディネートを決めていきます。ゲストルームに泊まるのかと思いきや、ナチュラルにミドリさんとお義母さんは一緒のベッドで就寝。ゲストルームに寝ることになったのは貴史さんでした。
「遠くに住むひとり娘ですから、たまに会ったら一緒に居たいんだろうと思いました。少し疎外感はありましたが…」
お義母さんは3日間ほど泊まり地方の実家へ帰りました。
「いつまでいるんだろう…と心配になってきていたので、帰ってくれて一安心です」
◆お義母さんファーストな彼女
しかし、同棲が始まると、ミドリさんとお義母さんの、親しすぎる関係が徐々に判明してきます。
「彼女は1日のすべてのことをお母さんにLINEしていました。先日、お義母さんと僕もLINEを交換したので、彼女が少しでも僕に関することを言うと、すぐにお義母さんから僕にLINEがきました」
例えば、貴史さんの仕事が忙しく、ミドリさんからのLINEへの返信が遅れた時には、お義母さんから「まだ仕事ですか?」というようなLINEがきているのだそう。
「ある時は、新居のカーテンを彼女とふたりで買いに行ったんです。そしたら次の日お義母さんからLINEがきて、『あのカーテンは風水的に良くないから、返品してください』って」
それはミドリさんが選んだカーテンだったのですが、ミドリさんはあっさりとお義母さんの言うことを聞き、カーテンは返品することに。
「その数日後に、お義母さんがまた上京して来られて、ミドリさんとふたりでカーテンを買いに行っていました」
◆あっという間に…
ふたりの近すぎる関係にどんどん気持ちが萎えていく貴史さん。なんでもお義母さんの言うことを聞くミドリさんに疲れ、同棲して2ヶ月ほど経つ頃には、喧嘩ばかりの険悪な関係に…。
「喧嘩するとお義母さんにLINEで告げ口されるので、板挟みですよ。毎日お義母さんに監視されているようで、本当に気分が悪かったです」
家に帰るのが憂鬱でしかなくなった貴史さんは、こんなことでは結婚は到底無理だと悟り、婚約破棄を決意します。実は、同棲を始めてからすぐに正式にプロポーズをし、結婚式場も予約していた貴史さん。
「式場のキャンセル料も少なくなかったし、別れたいと言ったら案の定、大騒動になるし、しっちゃかめっちゃかでした…」
なんとか同棲を解消した後も「訴えます」とお義母さんや彼女からLINEの日々。数ヶ月間は大変でしたが、結局訴えられはせず、今はやっと落ち着いたとのこと。
結婚に焦ってうかつな行動をとってしまったと反省した貴史さん。「次は絶対に慎重になる」と心に決めたのだそう。恋に盲目になっても、義実家のことはちゃんと知ってから婚約した方が良さそうですね!
<取材・文/まなたろう イラスト/ただりえこ>
【まなたろう】
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きでコーヒーソムリエ資格取得。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。