ミネベアミツミのロゴマーク ベアリング大手のミネベアミツミは10日、センサー大手の芝浦電子にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。友好的な出資者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」として、芝浦電子に「同意なきTOB」を提案した台湾の電子部品大手ヤゲオに対抗する。芝浦電子は同日、ミネベアミツミのTOBに賛同し、ヤゲオの提案には反対すると表明した。
ミネベアミツミの貝沼由久会長は東京都内で記者会見し、TOBの狙いについて「日本の優れた技術を守る意味でも非常に重要な意味がある」と強調。センサーの製品開発や販路拡大で相乗効果が見込めるとして「両社は最善のパートナーだ」と訴えた。芝浦電子の葛西晃社長も「開発製造面の強みを最大限生かせる」との見方を示した。
ミネベアミツミのTOB価格は1株4500円で、ヤゲオの提案する1株4300円を上回る。買収総額は最大で約676億円を見込む。今月23日をめどに買い付けを始める。成立した場合、芝浦電子は上場廃止となる見通し。
芝浦電子は株主に対し、ミネベアミツミのTOBに応募するよう推奨すると発表した。ヤゲオは芝浦電子の同意が得られなくても5月7日にTOBを開始する方針を示している。