
キャンプなどのアウトドアシーンで長時間快適に過ごすには、ガジェットや電化製品の充電・給電に使える「ポータブル電源」があると便利です。しかし製品選びに関しては、注意する項目が多くあります。
そこで本記事では、「ポータブル電源を選ぶ際にチェックしておきたい5つのポイント」を解説します。
●ポータブル電源選びでチェックしたいポイント1:定格出力
ポータブル電源選びで外すことのできないキーワードが「定格出力」です。これは、そのポータブル電源が安全に出力できる電力の最大のワット数を表しています。
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ポータブル電源でこの値が重要になる理由は、スマートフォンなどのモバイルガジェットの充電に加え、電気ケトルやドライヤーなどの利用も前提にしているからです。
手持ちの電気ケトルの消費電力が仮に1250Wだとしましょう。この電気ケトルを、もし定格出力300Wの小型のポータブル電源に接続しても、動作しません。。一方で、定格出力1500Wのポータブル電源を買っておけば、使うことができます。
つまり、キャンプや停電時などに使いたい電化製品の消費電力の値を把握しておき、その値を十分にカバーできる製品を選択するというのが、ポータブル電源選びの定石になります。
なお、製品によっては定格出力以上の電力に対応している場合があります。
●ポータブル電源選びでチェックしたいポイント2:バッテリー容量
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スマホのバッテリーやモバイルバッテリーの容量を表す単位として、「mAh(ミリ・アンペア・アワー)」という単位を目にしたことがあると思います。「5000mAh」という数値ならば、1時間に5000mAの電流を供給できることを示しています。
一方で、ポータブル電源のバッテリー容量では、「Wh(ワット・アワー)」という単位が用いられることが多いです(※小型製品では「mAh」が使われていることもあります)。「500Wh」という数値ならば、500Wの電力を1時間使える量のバッテリーを備えていることを意味します。
単位がWhになると一見難しく感じるかもしれませんが、使用時間をおおまかに計算することができます。500Whのポータブル電源で、消費電力500Wの電化製品を使うならば【500(Wh)÷500(W)=1(h)】、50Wの電化製品を動かすならば【500(Wh)÷50(W)=10(h)】のように計算することで、どのくらいの時間使えるのかを判断しやすくなります。
もちろん、実際の使用時には電力のロスが発生するので、この計算式通りにはいかないのですが、ざっくりと目的の家電を何時間使える容量なのかということを把握しやすいのです。
●ポータブル電源選びでチェックしたいポイント3:サイズと重さ
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定格出力やバッテリー容量が大きくなると、それに伴ってサイズや重さも増加する傾向があります。
張り切って定格出力1500Wの本格的なポータブル電源を購入したものの、重さが13kg程度あり、重すぎてキャンプ場に持って行けない、部屋に収納するスペースがないという事態になっては本末転倒ですよね。
ちなみに、この13kg前後の重さというのは、2Lのペットボトル飲料が6本入ったダンボールに近い値です。集合住宅の2階の部屋に住んでいるから自家用車まで運ぶことができるかどうか、など使い方をイメージしつつ、サイズ・重さについてチェックしておくのが良いでしょう。
また、製品によって備わっているハンドルの形状も結構異なります。小型の製品ならば、肩掛けで運べるものもありますし、大型の製品ならば両手持ちを前提として左右にハンドルが付いているものもあります。このあたりも併せてチェックしておきましょう。
●ポータブル電源選びでチェックしたいポイント4:ポート数
同じ定格出力、似たようなサイズ・重さの製品であっても、メーカーによって搭載するポートの数や種類が異なる場合があります。
例えば、A社の製品ではUSB Type-Cポートが1つ、ACコンセントが2つ備わっているのに対し、B社の製品ではUSB Type-Cポートが4つ、ACコンセントが3つ備わっているとしましょう。
この場合、家族でキャンプをするなど、複数人でスマートフォンやタブレットを充電したいのならば、B社の製品が良いといえそうです。一方で、1人で使う予定で、緊急時に電気ケトルくらい使えれば良いという想定ならば、A社の製品でも問題ありません。
使用シーンと使いたい機器に合わせて、電源を供給できる製品を選びましょう。
●ポータブル電源選びでチェックしたいポイント5:動作温度
過ごしやすい時期ならば、さほど気にしなくて良い仕様なのですが、夏や冬のような暑かったり寒かったりする時期にポータブル電源を使いたい場合には、「動作温度」に気を払う必要が出てきます。また、使用する地域によっては、なおさら条件が厳しくなることもあるでしょう。
動作温度が0〜40度という製品では、本州でも真夏や真冬の使用に向いていない可能性があります。一方、製品によっては-20〜60度に対応しているものもあるので、夏場のBBQで扇風機を回したかったり、冬のキャンプで電気毛布や電気ケトルを使いたかったりという場合には、動作温度範囲が広いものを検討してみましょう。