GIGABYTEの最新ゲーミングノートPCはローカルAIで動くアシスタントから、敵のスタングレネード対策まで 幅広いゲーマーに訴求

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2025年04月11日 12:31  ITmedia PC USER

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日本AMDの関 路子氏(代表取締役副社長)

 GIGABYTE Technologyが2025年に発売するノートPCは、全モデルに“GiMATEキー”と呼ばれる専用キーが配置されている。


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 これは同社が独自に開発した生成AIによるアシスタント機能「GiMATE」を呼び出すキーだ。同機能は完全にローカルで動作するものとして、ハードウェアに関連する設定変更を自然な言葉で依頼したり、ヘルプを質問ベースで検索したりできるのが強みだ。


 そんな独自機能も搭載したGIGABYTEの2025年モデルはどのような製品に仕上がっているのか。4月9日に日本ギガバイトが開催したメディア向け発表会の模様を紹介しよう。


●ターゲット別に4シリーズを用意


 発表会では、発売済みのゲーミングノートPC「AORUS MASTER 18/16」を含む計5モデルのノートPC、そして計2モデルのゲーミングディスプレイが紹介された。


 ゲーミングノートPCとして新たに披露されたのは、「AORUS ELITE 16」「GIGABYTE AERO X16」「GIGABYTE GAMING A16」の3モデルだ。


 GIGABYTE Technologyのマーヴィン・ファン氏(日本エリア ノートPC営業担当)によれば、2025年モデルのノートPCは主に4つのシリーズがあり、最もハイエンドに位置付けられる「AORUS MASTER」、メインストリームの「AORUS ELITE」、エントリー向けゲーミングの「GIGABYTE GAMING」、そしてクリエイター向け「AERO」を用意している。


 ターゲットユーザーは、AORUSシリーズがコアゲーマー、AEROシリーズはゲーマーまたはクリエイターなどマルチタスクユーザー、GIGABYTE Gamingはコスパ重視の学生ゲーマーやエントリー層になる。


AORUS MASTERシリーズ


 AORUS MASTER 18/16は、ハイエンドゲーミングPCが直面する“熱”をいかに抑えるかに注力した製品だ。新たに開発した冷却システム「WINDFORCE EX」は、長さの異なる2種類のブレードを交互に配置したフロストファンを採用している。また、比較的小型の16型モデルでも大型ベイパーチャンバーを搭載しているのも特徴だ。


 「3D VortXエアフロー」と呼ばれる機構によって、ゲームプレイ時によく使う「WASD」キーと、右側のキーを効率的に冷却する“アイスタッチエリア”を作り出しているという。


 ディスプレイもゲームに適したハイスペックだ。AORUS MASTER 18は、リフレッシュレート最大240Hz、応答速度3ミリ秒、最大輝度1200ニトのミニLEDパネルを採用している。


 AORUS MASTER 16は、リフレッシュレート最大240Hz、応答速度1ミリ秒、最大輝度500ニトの有機EL(OLED)パネルを採用している。


AORUS ELITE 16


 一方で、AORUS ELITE 16は、Intel Core Ultra 9 275HXのCPUと、GeForce RTX 5070 Laptop GPUを搭載したゲーミングPCだ。ディスプレイ解像度は2560×1600ピクセル、リフレッシュレートが最大165Hzの16型IPSパネルを採用している。


GIGABYTE GAMING A16


 GIGABYTE GAMING A16は、Ryzen 7 260のCPUとGeForce RTX 5070 Laptop GPUを搭載し、最大グラフィックパワーが80Wとパワフルながら、約26万円から購入できるという、コストパフォーマンスに優れたゲーミングノートPCだ。発売は5月中旬以降を予定している。


 狭額縁ディスプレイ、ゴールデンカーブキーボード、キーキャップ面積の増加、180度まで開けるディスプレイ、厚さが約19.4mmと薄型のボディーが特徴となる。100WのUSB PD(Power Delivery)充電に対応している。


GIGABYTE AERO X16


 GIGABYTE AERO X16は、ルーナーホワイトとスペイスグレーの2色展開で、クリエイティブもゲームもこなしたいマルチタスクなユーザーに向けたノートPCだ。価格は27万円からで、発売は5月中旬以降を予定している。


 CPUにRyzen AI 9 HX 370またはRyzen AI 7 350、GPUにGeForce RTX 5070 Laptop GPUを搭載し、メモリは最大64GB、ストレージは最大4TBを選べる。ディスプレイは2560×1600ピクセルで、アスペクト比は16:10、リフレッシュレートは最大165Hzで、sRGB色域カバー率100%の16型IPSパネルを採用している。


 クリエイター向けという位置付けの製品のため、NVIDIA Studio認定やPANTONE認証、TUV認証も取得済みだ。Copilot+PCとしての認定も受けている。


 イベントでは、NVIDIAの澤井理紀氏(シニアテクニカルマーケティングマネージャー)が登壇し、製品に採用されたGeForce RTX 50シリーズについて解説した。


 GeForce RTX 50シリーズについては既報の通りだが、新たに採用されたBlackwellアーキテクチャが搭載する「Tensorコア」により、AI機能が飛躍的にアップしたこと、RTX 3080 Tiと比べて処理速度をアップさせつつ、バッテリー駆動時間が1.4倍になるなど、消費電力を抑えていることを強調した。


 特に澤井氏が強調したのは「DLSS 4」の採用だ。「表示されるグラフィックの16ピクセルのうち、94%にあたる15のピクセルをAIが生成するため、非常に美しい画像でゲームを楽しめるようになる。また、DLSS 4を活用し、マルチフレーム生成を行うことで、DLSSを使わない場合と比べて超解像度かつ8倍のフレームレートを実現できる」(澤井氏)として、新しいGPUがいかにゲーミングPCとの融和性が高いかをアピールした。


 同じく登壇した日本AMDの関路子氏(代表取締役副社長)は、「AMDは現在、ゲーミングPC、AI PC、エンタープライズ向けPCに注力している。GIGABYTE製品にはゲーミングPCとAI PCでAMDを採用していただき、どのような製品に仕上がっているか楽しみだ」と話した。


→・モバイルに「L3キャッシュ爆盛り」とApple/Intel対抗の「GPU強化モデル」登場――AMDが新型「Ryzen」を一挙発表


●全機種に「GiMATE」を搭載


 今回発表された2025年モデルのノートPCには、記事冒頭で触れた通り、全モデルにGiMATEキーを搭載している。


 例えば、静かな場所でノートPCのファン音を抑制したい場合、GiMATEキーを押してGiMATEを呼び出し、「ファンの音を小さくして」と声かテキスト入力を行うと、その意図をGiMATEが理解して「サイレントファンモード」に変更する。ユーザーは設定の深い階層まで潜ることなく要望を伝えるだけで済む。それこそファンの回転数を変更できることを知らない初心者などにもぴったりだろう。


 さらに自分の声を登録しておけば、Web会議中に周囲が騒がしくても自分の声以外の雑音をカットする「AI Voice」や、背後に誰かが通りかかったときに人がいることを通知する「AI Privacy」、ベッドの上またはデスクの上など置かれた場所によってスピーカーの音を調整する「AI Audio」、バッテリー寿命を伸ばす「AI Power Gear II」機能など、AIを活用した機能がGiMATEに集約されている。


 他にこんな機能もある。AIに関心がある先進的なユーザーは、さまざまな生成AIモデルを利用している場合もあるだろう。しかし、それぞれのモデルでUIが異なり、直感的に操作できないと思うこともある。そこでAI開発プラットフォーム「Hugging Face」アカウントでユーザー独自のトークンを発行し、それを「GiMATE Creator」という機能に適用すると、統一されたUIを持つGiMATE Creator上でさまざまな生成AIモデルを利用できるようになる。


●リフレッシュレート最大500Hzに対応するゲーミングディスプレイも


 イベントで紹介されたゲーミングディスプレイは「AORUS FO27Q5P」と「GIGABYTE MO27U2」だ。


AORUS FO27Q5P


 AORUS FO27Q5Pは、27型(2560×1440ピクセル)の有機EL(OLED)パネルを搭載し、世界初のリフレッシュレート最大500Hzに対応するゲーミングディスプレイだ。


 DisplayPort 1.4の2倍以上となるデータ帯域幅(毎秒80Gbps)を実現するDisplayPort 2.1を採用し、DisplayHDR True Black 500の認証も取得している。


 DisplayPortによるデイジーチェーン接続にも対応しているので、複数ディスプレイを使う場合でも、PCとの接続が煩雑にならずに済む。


GIGABYTE MO27U2


 GIGABYTE MO27U2は、27型(3840×2160ピクセル)解像度のOLEDパネルを採用したゲーミングディスプレイだ。リフレッシュレートは最大240Hz、応答速度は0.03ミリ秒、DCI-P3色域カバー率99%で、10ビット(約10億7000万色)表示、PANTONE認証の取得など、クリエイターにもピッタリだ。


 同モデルでは、スタンドの仕様を再設計し、土台の部分をコンパクトにした。


 どちらのモデルにもOLEDならではの焼き付きを緩和する機能「OLEDケア」を搭載している。


 さらにOLEDは締まりのある黒の表現に定評があるものの、輝度に限界があることから、明るい部分が白飛びするという課題もある。両モデルで搭載するHDR1000モードを利用すれば、ピーク時に最大1000ニトの明るさを出せるため、明るい部分でも鮮明さを保てるという。


 その他、疑似的にFPSゲームに適した24型の画面サイズに変更できる「タクティカルスイッチ2.0」や、敵が“フラッシュグレネード”を使った際に画面が明るくなりすぎないようにする「フラッシュ調光」といった機能を搭載し、ゲームプレイを快適に楽しめる工夫がなされている。


 両モデルとも、発売時期は現時点で明らかになっていない。なお、価格はGIGABYTE MO27U2が15万円から、AORUS FO27Q5は未定となっている。



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