写真はイメージです2025年1月、すき家の鳥取南吉方店で提供された味噌汁にネズミの死骸が混入していたことが発覚し、大きな波紋を呼んだ。そこでネズミ問題に関する大反響だった記事をピックアップ!(初公開2023年9月11日 記事は取材時の状況) * * *
一昔前の賑わいを取り戻している街の飲食店。そんななか、都心の飲食店は「ネズミの大量発生問題」に直面しているようだ。
街に住み着いているネズミは、人間が食中毒を起こす「サルモレラ菌」をまき散らす危険性があり、飲食店にとっては脅威的な存在である。特に最近はコロナ禍が明けて、日常を取り戻したお店に再び舞い戻ってきているらしく、まさに由々しき問題と言えるだろう。
以前紹介した
「ネズミが大量発生した食べ放題店」の記事では、当時働いていたアルバイト店員のAさんに話を聞いたが、今回は同じ店舗で昼の時間をメインに働いていた元パート店員Bさんに話を聞いたところ、衝撃の事実が判明した。
◆店舗取り壊しでネズミたちもお引越し!?
Bさんが働いていたのは、様々な食材をバイキング形式で楽しめる某食べ放題チェーン店。繁華街にあるお店ではなく、郊外にある駐車場が完備された店だった。畑も多くある地域で、その食べ放題店の隣には中華料理屋があり、ネズミにとっては最高の環境だったのかもしれない。
またBさんが働き始めた当初は、少し離れた場所にうどん屋があったという。ネズミが出るようになったのは、このうどん屋が原因かもしれないとBさんは話した。
「片側1車線の道を挟んだ200メートルくらい先にうどん屋さんがあったのですが、そのお店がある日閉店して、しばらくしたら建物が取り壊されたんです。それからなんですよね、ウチの店にネズミが出没し始めるようになったのは……。地主さんの話によると、『うどん屋さんに住み着いていたネズミが移動してきてから、うちの畑も大変なことになった』と言っていました。200m離れているお店が取り壊されて、あの小さいネズミたちが道路を渡って大移動してくるイメージが湧きませんが、タイミング的にはそうとしか思えないので納得ですね」
◆畑にもネズミの形跡が…
一時期その店では、毎朝ネズミ捕りシートに捕まったネズミを殺すところから仕事が始まっていたという。Bさんはネズミが大の苦手で、お店に出没したネズミを自分で退治することができず、必ず別の人にその作業をお願いしていたそうだ。
さらに、お店以外でもネズミの恐怖を味わったことがあると彼女は語る。
「さっき話したお店の土地も持っている地主さんと仲良くなって、ある日その人の畑で芋掘りを手伝うことになったんです。手伝ってくれたお礼ということで、帰りにお芋をいっぱいもらったんですが……。翌月にもう一度誘われて行ったとき、畑の土から夥しい量のネズミの赤ちゃんが出てきました。まだ生まれたばかりだったみたいで、ほんの数センチのネズミがウジャウジャ動いてるんですよ。その時の光景は今でも脳裏に焼き付いています」
◆赤ちゃんネズミの殺し方
畑で遭遇した生きているネズミの赤ちゃんたちを見て、悲鳴を上げて立ち尽くしているBさん。そこにやってきた地主の人が、信じられない行動をとったという。
「私、思わず悲鳴を上げちゃったんですけど、その声聞いた地主がやってきて、そのネズミたちの首を『クイっクイっクイっ』と次々に折っていき、殺したあとに道路に投げ捨てていきました。自分の敷地の外に出しちゃえば関係ない……みたいな感じでしたが、もうその行動すべてがカルチャーショックでしたね。その日はネズミにかじられたサツマイモを目撃したのもあって、お土産は断って手ぶらで帰り、その畑にはもう2度と行くことはありませんでした」
◆なんでもカジるネズミの危険性
ネズミの脅威はなにも衛生面や食品ロスだけではない。たまにニュースなどで耳にするが、ネズミが鋭い歯で電気の配線をカジり、それが原因で漏電し出火することがあるそうだ。Bさんが働いていたお店でも一度、火災が発生したことがあるという。
「これは私が辞めた後の話なんですが、その店の営業中に火事になってしまいまして……。そのときも変わらずネズミがいたようなので、もしかしたらネズミが原因かもしれないと昔の同僚が話していました。ハッキリとした原因はわかりませんが、今でも残っているSNSに投稿された写真を見るとバックヤードが燃えているのがわかるので、可能性は高いのではないでしょうか。営業中に発生した火事で、お客さんや従業員含めケガ人が一人も出なかったようなので良かったですが、一歩間違えたら被害者が出ていた可能性もあるわけで……。衛生面の被害だけでなく、火事を起こす危険性もあるって考えると、ゴキブリとは比べ物にならないくらい怖いですよね」
◆ネズミの脅威は閉店した後も続く?
食材があるバックヤードがほぼ丸こげになり、客席にも火の手が及んだそうだが、なんと火事発生からわずか3日後には営業を再開。対応が早いと言えばその通りだが、従業員の間では「あれだけの火事があって、バックヤードも焦げ臭いなかでの営業再開はバカげている」という話になったようだ。
そしてその3年後、2020年1月にお店は閉店した。
「閉店して3年以上経ちますが、いまだにその建物は残ったままなんですよ。もしかしたら、あの火事の一件でネズミたちは一時的に避難したかもしれませんが、あそこは近くの畑に食べ物があるし雨風を凌げるので、相当居心地がいいはずです。だからあの建物が取り壊されたら、200mくらい先にある飲食チェーン店とかが大変なことになるかもしれませんね……」
◆飲食店にネズミが出たら即座に対応するべき
Bさん曰く当時の店長は、なにかお店の問題点を提議しても、基本的に動いてくれることはなかったそうだ。しかし、飲食店のネズミ問題は食中毒や火災を起こす危険性があるだけに、即座に対応しなければならない。さらに、最近ではアルバイト店員が自分のお店の問題点を面白がってSNSにアップし炎上することもあるだけに、放置はもってのほかだろう。
実際に利用するお客の立場からすると、最重要事案と捉え真剣に取り組んでもらいたいものである。
取材・文/サ行桜井
【サ行桜井】
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。