
「出張も挨拶もダメ」。妻からの極端な束縛に耐えかねた公務員の夫。結婚当初の「明るくサッパリした女性」から一転、猜疑心の強い妻へ…。自宅を出て別居を始めた今も、毎日のように続く監視の目を光らせているといいます。離婚を切り出しても応じない妻との関係に苦悩する39歳男性の相談に、離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが答えます。
ーお悩みー ストーカー的な妻の束縛から逃れたい
39歳の公務員、結婚生活は4年目で子どもはいません。妻は自分より4歳年上で、友人の紹介で知り合って結婚しました。
出会ったときの第一印象は「明るくてサッパリした大人の女性だな」と感じたのですが、いざ結婚してみるとそのイメージが一転。独占欲が強く、嫉妬と束縛の強さが目立つ、ストーカー的な性格に変わってしまったんです。
僕は仕事の関係で出張も多く、それは結婚前から納得していたはずなのに、いちいち口うるさく追及してきます。
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たとえば、出張の前日に「明日は仙台のなんていうホテルの何号室に泊まるの?」と聞いてきたかと思えば、当日は携帯電話ではなくホテルの部屋に電話をかけてきて僕が部屋にいることを確かめます。
さらに、その後、「スマホからかけ直すから、ビデオ通話にして部屋の中を見せてほしい」と部屋にひとりでいることを自分の目で確認しないと気が済まないんです。
結婚して以来、たとえそれが男性であっても、「その人たちが女性をつれてくるかもしれないから」と、昔からの友人や同僚と出かけることは禁止されています。
「昔の彼女と楽しそうに話すのが許せない」と同窓会にも出席できていません。出勤時、近所の奥さんと挨拶を交わすだけでも目の色を変えて怒り、「浮気をしないように」とお小遣いも毎月1万円しかもらえていません。
今年に入って、もう耐えきれず僕が自分の実家に戻ることにしました。別居していても、毎日のように電話とLINEで僕への束縛は続いています。
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これまで何度か「離婚してほしい」と伝えていますが、取り合ってもらえていません。一応、毎月の生活費はこれまでどおり渡していますが、なんだかとても虚しい気持ちです。
元に戻ることは考えていないので早く別れたいのですが、どうやって話を進めていいのかわかりません。
ー岡野さんの回答ー 一時的に生活費をストップする「兵糧攻め」が奏功することも
「なぜ、あんな女と結婚してしまったのだろう」。妻への愛情がなくなり、離婚を考えている夫の多くはそう思うもの。結婚したことを後悔しているのではないでしょうか。
ですが、こういう猜疑心の強いタイプの女性は、離婚を切り出された場合、相当意地になることが多いようです。話し合いにも応じてもらえないケースもよく聞きます。
結論としては、私たちカウンセリングのプロに依頼するか調停に持ち込む、あるいは弁護士をつけるなど、第三者に入ってもらう必要があるでしょう。
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調停に持ち込んだ場合、妻が納得せずに調停の不成立になることもあり、その後の裁判までもつれこむとしたら、離婚成立までにあと1〜2年はかかるかもしれません。
離婚話を進める飛び道具としては、「兵糧攻め」という手段もあります。今も生活費を入れているとのことですが、一時的にストップし「それは困るので、どうにかしたい」と言ってくる妻を話し合いの土俵に引き上げるのが狙いです。
妻が焦って何かを言ってくるタイミングを待って、離婚話を進めるのです。「渡すべきお金はストックしているから大丈夫。しかるべき金額などが決まったら必ず支払います」と主張すれば、婚姻費用分担の義務違反を問われることも免れるはずです。
離婚はしないに越したことはありません。ですが、これから先の人生が離婚をすることで確実に幸せになると判断したのなら、離婚に向けて戦う勇気が必要です。時間はかかってもがんばりましょう。
◆岡野あつこ(おかの・あつこ) 離婚カウンセラー・夫婦問題研究家/課題解決型マッチングメディア「リコ活」アドバイザー
「離婚しないに越したことはない! 」をモットーに、4万件以上の結婚、離婚、再婚相談を受け、数多くの夫婦問題を解決に導く。カウンセラー育成にも力を注ぎ、「マリッジカウンセラー、夫婦問題カウンセラー養成講座」を開講している。
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