電話番号末尾「0110」に要注意!「こちら〇〇警察です」詐欺の被害者急増…その狡猾な手口とは?

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2025年04月14日 11:10  web女性自身

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「こちら、新宿警察署です」



警察をかたる新手の特殊詐欺が激増している。しかもスマホの着信画面には、実在する警察署の電話番号や、警察署がよく使う末尾が「0110」の電話番号が表示されるというから厄介だ。



末尾0110番からの詐欺電話は、2024年1月の5件から4月は38件、8月は294件と増え、2025年1月は1千件を突破。さらに2月は2千239件と、1年間で370倍超の増加だ。



「これは『スプーフィング』という機能を悪用した手口です」



そう指摘するのはITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子さん。スプーフィングとは050から始まるIP電話で使われるもので、元々はコールセンターなどから掛けた電話の発信者番号を、その会社の代表番号などに変えるもの。インターネット回線を利用する電話ならではの機能に詐欺師が目を付けたのだという。



スプーフィングなどで警察官をかたる詐欺被害は、2025年1〜2月だけで1千39件確認され、被害総額はわずか2カ月で106億2千万円にのぼる。実際の詐欺の手口を見てみよう。



2025年3月、A子さん(50代)のスマホに「+」から始まり末尾が0110番から着信があった。出ると、宮崎県警の警察官を名乗る男が「あなたのキャッシュカードが犯罪に利用されている」と言う。驚くA子さんに詐欺師は「これからオンラインで取り調べを行う」と畳みかけ、LINEに誘導。「金融調査のため資金を確認する必要がある」と偽り、「言うとおりに操作するように。勝手なことをしたらあなたを逮捕しなければならない」などと脅して、A子さんに2回、合計で180万円を詐欺師の口座に振り込ませた。



「+から始まる番号は国際通話で、詐欺電話の可能性が高いです。着信があっても出ずに、無視してください」(高橋さん、以下同)



しかし2025年からは+がつかない、本当の警察署などの電話番号を表示するケースが増えている。



「詐欺が発覚しづらいように、詐欺アプリが進化したのでしょう」



同じく3月、B美さん(30代)のスマホに、愛知県警察本部の代表電話番号から着信。警察官を名乗る女は「B美さんが資金洗浄事件の容疑者になっている」などと説明した。その後、LINEのビデオ通話で、顔写真付きの警察手帳や逮捕状らしき書類を見せられたB美さんは、自分の無実を証明するには現金250万円を振り込むしかないと思い込まされたという。



冷静に考えると、怪しい点が多い。そもそも警察官が捜査にLINEなどを使うのだろうか。



「LINEの利用も、オンラインでの事情聴取も、警察が『お金を送れ』と言うこともありえません。



ただ一般の人は警察と接する機会が少ないものです。最初は怪しいと思っても、警察手帳や逮捕状らしき書類を見せられるうちに『そういうものなんだろう』と信じてしまうのでしょう。



そのうえ捜査対象だ、逮捕する可能性があるなどと脅されるとパニックになり、なんとか無実を証明せねばと焦って、お金を振り込んでしまうのだと思います」





■警察を名乗る電話でも折り返しが原則



A子さんが50代、B美さんは30代。詐欺というと、高齢者の被害が多いというイメージだが……。



「これまでの詐欺電話は固定電話を狙うことが多かったのですが、スプーフィング詐欺は相手を選びません。スマホにかかることも多く、30〜50代の被害が増えています。2024年の被害者は64歳以下が52%と過半数を占めます」



実は、お金を振り込むなどの実害なく終わっても心配なケースがあるという。たとえば捜査に必要だと言われ、住所や氏名を教える。ビデオ通話でマイナンバーカードを提示する。なかには、銀行の口座名や投資信託の有無、資産形成をしているかどうかをしつこく聞かれたという被害者も。



「実害がなかったと安心している場合ではありません」



住所、氏名とマイナンバーがわかれば、金融機関の口座を作ることができる。それがカードローンなどでの借金やクレジットカードの不正利用などにつながったり、特殊詐欺の振込先として悪用される危険性もある。個人情報が売買され、さらに大きな詐欺の標的となり、高齢者などの資産が多いことが詐欺師に伝わると、闇バイト強盗などの危険性も高まる。



恐ろしいスプーフィング詐欺を避けるには、どうすればいいのだろう。高橋さんに教えてもらった。



【1】最近の詐欺情報を知っておく



「新宿警察署を名乗る詐欺師が多いことや、警察手帳や逮捕状など似たような画像が使われることから、詐欺の手口がマニュアル化されて広まり、同時多発的に似た詐欺が横行する傾向があります」



「0110番からの詐欺が多い」と知っていれば、「ひょっとしたら詐欺かも」と思う糸口になる。



【2】「+」から始まる国際通話など怪しい電話には出ない



詐欺師は海外に本拠地を置き、詐欺電話を集中的に掛けることが多く、国際通話は怪しい。



国際通話が必要なければ、固定電話は「国際電話利用契約の利用休止申請」をして止めるのも一手。スマホは各キャリアが提供するサービスを利用すれば停止できる。



【3】いったん切って、折り返す



警察署からの電話でも、警察だと信じ込まないことが大前提。総務省や地元の市役所などを名乗る場合なども同様で、相手の所属部署や氏名、内線番号などを聞き、いったん電話を切る。代表電話番号を自分で調べて、折り返そう。相手が警察なら、#9110の相談ダイヤルで聞くのが◎。



とはいえ、本物の警察官かもしれない人に「折り返す」と言うのは気が引けるが……。



「詐欺が横行する昨今、折り返すのは当然です。相手が本物なら、リテラシーの高さを称賛するでしょう。折り返しを阻止したり文句を言うのは詐欺師の証拠です」



警察官などと名乗る言葉をうのみにしてはいけない。冷静な対応で詐欺を撃退しよう。

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  • 自宅の固定電話は常に留守電。スマホにそれは掛かってきたことないけど、海外からの番号は3月頭にかなり来た。フルシカトだけど。
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