陸上女子100メートル障害の元日本記録保持者で21年東京五輪代表の寺田明日香(35=ジャパンクリエイト)が15日、都内で会見を開き「今季をもって競技者としての第一線を退くと決意しました」と正式に表明した。
今年9月には世界選手権東京大会が開催。内定をつかむには、あと0秒13と迫る参加標準記録(12秒73)を突破した上で7月上旬の日本選手権で3位以内に入ることが条件となる。世界ランキングなどによっても代表入りの可能性があるが「日本選手権は勝ちにいきたい」ときっぱり。2年ぶり6度目の日本一に意欲を燃やした。
シーズン序盤に表明した理由については「新庄戦法が良かったんですよ」と、プロ野球現日本ハム監督の新庄剛志氏の現役引退を引き合いに出しながら説明した。新庄氏は日本ハム在籍時の06年4月のヒーローインタビューにおいて、突然同シーズン限りの現役引退を電撃表明。その年は中堅手のレギュラーとして打率2割5分8厘、16本塁打、62打点と活躍し、44年ぶり2度目の日本一に貢献してユニホームを脱いだ。
寺田は生まれ故郷の北海道を湧かせたスターになぞらえて「私もそうしたいと思っていた。シーズンが終わった後に『寺田明日香、これでおしまいなの?』ではなく、先に言って、皆さんに見に来てほしいので」と力説。周囲には2年前から「新庄戦法で私は辞める」ともらしていたことも明かした。
今季終了後は全国の陸上競技場を巡るツアー「Baton Run Tour」を展開することも発表。「子どもからおとなまで、皆さんと一緒に本気で走っていきたいので『引退』という言葉はいったん置いておきたい」とした。
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北海道・恵庭北高で本格的に競技を始め、1年時から全国高校総体(インターハイ)を3連覇。09年には世界選手権ベルリン大会に初出場した。
13年からは競技を離れ、14年に長女果緒ちゃんを出産。ラグビー7人制への挑戦を経て19年に陸上へ復帰し、同年9月に日本女子初の12秒台となる12秒97の日本新記録(当時)を樹立した。東京五輪では準決勝に進出。世界選手権にも3度出場している。
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