メキシコのベルデゲ農相=15日、メキシコ市(EPA時事) 【サンパウロ時事】「トマトが高くなれば、サラダやケチャップも値上がりする」。メキシコのベルデゲ農相は15日、米国が7月からメキシコ産トマトに反ダンピング(不当廉売)関税を課すと公表したことに異議を唱えた。米国ではトマトを原料とするケチャップが、国民食でトランプ大統領の好物でもあるハンバーガーの調味料などに幅広く使われている。
米国はメキシコから輸入する生鮮トマトを巡り、6年前に反ダンピング措置を停止する合意をメキシコと結んだものの、米商務省は14日、この合意が「米国のトマト生産者を保護できていない」として、破棄を表明。7月14日からメキシコ産トマトに20.91%の関税を課す方針を示した。
ベルデゲ氏は15日の記者会見で、米国でメキシコ産トマトが生産コストを下回る価格で販売されているという米側の認定は「事実ではない」と反論した。また、米国では食用トマトの6割をメキシコ産が占めており、ほかに代替できる国はないと指摘。反ダンピング措置により、「(米国で)トマトを買うのに21%高く支払うだけだ」と述べた。
メキシコは、関税が導入される7月までに米国との交渉を通じて新たな合意を目指す方針だ。会見に同席したシェインバウム大統領は、トマトを巡る米国との合意がこれまでにも見直されてきた経緯を説明。「メキシコはいつも勝利してきた」と、自信を示した。