退職金全額不支給は適法=運賃着服の元バス運転手、敗訴確定―最高裁

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2025年04月17日 17:31  時事通信社

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時事通信社

最高裁=東京都千代田区
 京都市交通局のバス運転手だった男性が、運賃1000円を着服したことなどを理由に受けた懲戒免職と退職金約1200万円の全額不支給処分を取り消すよう求めた訴訟の上告審判決が17日、最高裁第1小法廷(堺徹裁判長)であった。同小法廷は不支給処分を取り消した二審大阪高裁判決を破棄し、男性側の逆転敗訴が確定した。

 判決によると、男性は1993年から市バスの運転手として勤務していたが、2022年、乗客が支払った運賃のうち1000円を着服した。乗客がいない車内で、禁止されていた電子たばこを吸ったことも確認され、処分を受けた。

 同小法廷は運賃の着服について「市が経営する事業運営の適正を害するのみならず、信頼を大きく損なう」と指摘。喫煙も勤務状況が良好でないことを示すなどとして、処分は適法と判断した。

 一審京都地裁は23年7月、処分は裁量権を逸脱したとは言えないなどとして、男性の請求を棄却。一方、高裁は24年2月、懲戒免職は適法としつつ、退職金には給与の後払いや生活保障の側面もあり、全額不支給は社会通念上妥当性を欠くとして、処分を取り消していた。 
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