三菱UFJ貸金庫事件 元行員の女性、窃盗の起訴内容認める 初公判

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2025年04月18日 11:08  毎日新聞

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東京地裁および東京高裁が入る庁舎=東京都千代田区で

 三菱UFJ銀行の支店の貸金庫から顧客の金品を繰り返し盗んだとして、窃盗罪に問われた元行員の山崎由香理被告(46)=東京都練馬区=は18日、東京地裁(小野裕信裁判官)で開かれた初公判で「全部認めさせていただきます」と述べ、起訴内容を認めた。


 検察側は冒頭陳述で、山崎被告が外国為替証拠金取引(FX)で出た多額の損失を補塡(ほてん)するため、貸金庫の管理責任者としての立場を悪用したと指摘。支店内に保管してあった予備の鍵を使うなどして現金や金塊を盗み出し、金塊は質入れをして換金していたとした。


 山崎被告は2024年3〜10月、支店長代理や営業課長だった練馬支店(練馬区)と玉川支店(世田谷区)で、顧客から預かった金塊計22キロ(時価総額約2億8800万円相当)と現金1650万円を盗んだとして起訴された。


 初公判では、練馬支店に勤務していた24年3〜9月に、顧客2人の金塊計22キロを盗んだとされる起訴内容のみが審理された。


 警視庁は25年1月以降、被告を3回逮捕。顧客60人以上の貸金庫から、時価総額で7億円以上の金塊や10億円以上の現金を盗んだとみて捜査を進めた。


 警視庁は起訴された被害とは別に、金塊4キロ(時価総額約4500万円相当)と現金4490万円を盗んだとする容疑でも4月9日に追送検し、捜査は終結した。


 検察側や三菱UFJによると、山崎被告は練馬、玉川両支店で貸金庫業務をほぼ1人で担当。24年10月に貸金庫を利用している顧客から「預けていた現金がなくなっている」と銀行に連絡があり、事件は発覚した。山崎被告は内部調査に当初は関与を否定したが、その後に認め、24年11月に懲戒解雇された。【安達恒太郎】



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