
和食人気の波に乗って近年、ヨーロッパ各国の和食店は増えている。すし、鉄板焼きからラーメンまで、日本人も十分満足できる店も珍しくなくなった。もっとも、ロンドンやパリを除けばさほど選択肢が多いわけではなく、アジア料理というくくりだったり、フュージョンだったり。そんな中で、オランダのアムステルダムにできた本格的な江戸前ずしの店が話題になっている。予約がすぐに埋まってしまい、新たな営業枠を増やして対応している。
店名は「TEWATASHI」。昨年10月に開業してから話題になり、目下予約受け付け開始後わずか30分で満席になる人気ぶり。そこでこの春から新たに予約枠を増やし、「月曜ディナー営業」と「金曜・土曜のランチ営業」をスタートした。オランダの新聞「Het Parool」(ヘット・パロール)のデジタル版でも、ミシュラン星付きレストランや有名店とともに注目のレストランとして掲載し、「来店中に次回予約を済ませるゲストもいるほどだ」と書いている。実際席数が15席と少なめで、キャンセル待ちやウェイティングリストへの登録希望も多いという。
本格的なすしはもちろん、利酒師による日本酒のペアリングと、茶師による日本茶体験もでき、料理だけでなく文化を味わう時間を楽しめる。店内の雰囲気も日本と変わらない。内装は創業者の出身地・金沢から招かれた職人たちが手がけ、日本の伝統美を空間の隅々にまで織り込んである。ヨーロッパの友人連れならもちろん、欧州旅行中に和食が懐かしくなった時のリスト筆頭になりそうだ。
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