<フィギュアスケート:世界国別対抗戦>◇18日◇第2日◇東京体育館◇アイスダンス・フリーダンス(FD)
愛称「うたまさ」こと吉田唄菜(21)森田真沙也(21)組(木下アカデミー)は、94・95点となった。17日のリズムダンス(RD)に続き最下位の6位だった。世界選手権3連覇中のマディソン・チョック、エバン・ベイツ組(米国)が133・51点、パイパー・ギレス、ポール・ポワリエ組(カナダ)が131・91点の2位だった。
最後のエレメンツで吉田がバランスを崩して減点。自己ベストには9点近く及ばず、吉田は「悔しい気持ちが大きい」と唇をかんだが、演技後にはやり切った表情も。初出場の2人は「いい経験になった。来シーズン強くなって戻ってきたい」と思いを込めた。
3月の世界選手権では、上位20組によるフリー進出ラインに0・40点届かなかった。26年ミラノ・コルティナ五輪の出場枠獲得を逃した悔しさと同時に、「自分たちのやりたい演技を出し切れた」と成長も実感。結成2季目の終了間際。カップルの課題だった森田のメンタル面も、「緊張感を自分の力にできるようにコントロールすることができるようになった」と手応えを得た。
成熟ぶりは今季最後の演技にも表れた。17日のリズムダンス(RD)では、終盤に森田が吉田を持ち上げながら回転するリフトでまさかの転倒。森田は「リフトは上がったら男性の仕事。大きなミスをしてしまって僕自身、罪悪感を感じている部分がある」と顧みながらも「明日に持ち越していたらダメ」と引きずらなかった。この日は、一体感のある演技で母国のファンを魅了。「RDが良くても悪くても、1つ1つのエレメンツを積み上げて、1つのいいプログラムをにつなげるということを念頭に置いていた。そこは強化された」とうなずき合った。
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日本は、22年北京五輪の団体戦では銀メダルを獲得。優勝候補筆頭の米国との差は大きいが、頂点に近づくためにはアイスダンスの結果が必要不可欠で「うたまさ」らの躍動が鍵を握る。五輪の最終予選は今年9月に北京で行われ、森田は「プレッシャーを感じすぎずに自分たちらしく臨んでいきたい」と力を込めた。23年の春、森田が吉田のインスタグラムにダイレクトメッセージを送ったことがきっかけで巡り合った2人。夢舞台を見据え、足跡を刻み続ける。
◆世界国別対抗戦 9度目の開催となる2年に1度の国際スケート連盟(ISU)公認大会。世界6カ国が男女シングル各2人、ペア1組、アイスダンス1組の4種目8人で争う。各種目優勝12点、2位11点…と与えられ、合計点で優勝国を決める。日本の他に米国、イタリア、フランス、カナダ、ジョージアが参加。SP、フリー(アイスダンスはリズムダンス、フリーダンス)ごとに区切り、総合順位は得点としない。
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