


ある晩、私がキッチンで家事をしていると、私が毎朝作ってあげている昼食のお弁当について、夫が文句をいってきました。
「前日に残ったおかずと冷凍食品が定番でしょ? 手作りなんて卵焼きくらいじゃないの?」
夫が作ってほしいというから、私は忙しい朝に「わざわざ」夫の弁当を作ってあげているのです。

手抜きだなんていわれる筋合いはありません。「ほら」といってスマホを見せてきます。そこには、インスタ映えするような色鮮やかなお弁当の写真が。



シミズくんとは、夫の会社の後輩で、先日結婚式をあげた人です。私も夫と同じ会社に勤めていたので、シミズくんとは面識があります。シミズくんの結婚式には夫婦で参列しました。
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ヒドい……私は怒りで言葉を失いました。夫は多少俺様気質がある人ですが、こんな失礼なことをいう奴だとは思いませんでした。これは私が軽々しく反論して終わらせられる案件ではありません。


私は夫からのお弁当批判に驚いたし、時間がたつとともに怒りが増しています。忙しい朝に作ったお弁当を、夫が何の理解もなく「手抜き」と決めつけるなんて言語道断です。
シミズくんの奥さんが作る華やかなお弁当と私のお弁当を比較されても、彼女と私では生活環境がまるでちがうのです。
日々の私の努力を見ようともせずに理想を押しつけてくる夫には、さすがにガッカリします。
【後編】へ続く。
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