
欧州の神話やRPGのモンスターなどに登場する空想の生き物「ドラゴン」。実際に存在しない生き物だからこそ、想像を膨らませることにロマンを感じる人もいるでしょう。
現在「マンガワン」にて連載されている『ドラゴン養ってください』(原作:牧瀬初雲、作画:東裏友希)は、大学生の男子と異世界からやってきたドラゴンによる共同生活を描いた一作です。以前原作者である牧瀬さんのX(旧Twitter)に、同作の第16話「銭湯に入らせてください」がポストされると、多くの人から注目を集めて4万以上の「いいね」が寄せられています。
大学生で一人暮らしをしている「村上」はお昼を買いに行くために外出すると、道中の公園で「養ってください」と書かれた紙を持った巨大なドラゴンと遭遇。村上は無視をして通り過ぎようとするも、ドラゴンは火を噴いて村上の足を止め、「私の名はイルセラ」「この世界の人間が言うドラゴンです」と自己紹介を始めます。
イルセラいわく、立派な竜になるため、魔力のないこの世界にやってきて魔法やさまざまな能力を磨くことが目的で、それに伴って居候先を探しているとのこと。最初は拒んでいたものの、何だかんだあって村上はイルセラと一緒に暮らすことを選ぶのでした。
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そんなある日、村上は風呂に入ろうとするも、イルセラが入った後のために浴槽のお湯がほとんど入っていない状態に。イルセラの体は魔力で本来の姿よりも小さくなっているものの、大人よりも遥かに大きなサイズです。そして村上は、イルセラと銭湯に行くことを決めます。
翌日、村上とイルセラは、村上の叔父である「ユウスケ」が経営する銭湯にやってきます。浴場内の掃除を条件に、営業の時間までの間、貸切での利用をユウスケが認めてくれたので、村上とイルセラは協力して清掃を開始。
そして、何とか掃除を終えて入浴の許可を待っていると、ユウスケから「湯沸かし器が壊れた」と驚きの報告が。そこで村上は「薪ボイラー」があることを思い出し、イルセラの力を借りて湯を沸かすことに全力を注ぎます。
しばらくの間、村上は薪をくべて、イルセラは火を懸命に吹き続けたことで無事に営業を終了。クタクタにくたびれた村上とイルセラは、ようやく大浴場の湯船に浸かり、「ごくらく〜」と言いながら至福の時間を堪能するのでした。
村上とイルセラによる“ほのぼのストーリー”に、読者からは「心が癒された」「イルセラのギャグと村上のツッコミが心地いい」など好評の声が続出。そこで原作者である牧瀬さんに、同作が誕生した経緯を聞きました。
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―原作を経て漫画化した経緯についてぜひお聞かせください。
元々はコミティアで出した同人誌でした。1話の内容はその同人誌の内容ほぼそのままです。その話を考えたきっかけは何年か前に旧Twitterで見かけた「ゲームのドラゴンが人間に変身したシーンのスクショと、それに対して一言悪口を添えてるツイート」でした。僕も人外が好きなこともあり少し気持ちがわかるので、同じような層に向けて刺さる漫画を考えたところ、この作品ができあがりました。
―Xに投稿された第16話の中で、特に気に入っている場面があれば、ぜひ理由と一緒に教えてください。
話の最後の方にある「いや〜極楽ってのはこのことだな」「ゴクラク…ってなんですか?」「楽しいことしかない世界だよ」「へ〜じゃあ存在しないんですね」のやりとりです。ちょっとブラックな要素があるセリフが好きなので、こういった言い回しを考えるのは楽しいです。
絵的なシーンで言うならば村上とイルセラが協力して薪ボイラーを焚いているところも気に入ってます。作画の東裏さんが劇画風に描いてくださったので、コミカルかつ迫力のある場面になりました。
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―牧瀬さんは原作の担当ですが、物語を漫画にする際、作画担当の東裏さんとは打ち合わせをしたりするのでしょうか?共同で作業を進めるにあたって気を付けている点もぜひ教えてください。
作画の東裏さんと打ち合わせすることはほとんどありません。お互い打ち合わせ相手は基本的に担当編集だけで要望を伝える時なども担当を通して伝えています。僕はネームまで描いているのですが、なるべく伝わりやすいように絵と文字を駆使して描いています。
―読者にメッセージをお願いいたします。
現在『ドラゴン養ってください』は第3巻まで発売されています!これからも楽しい展開やキャラクターたちが村上とイルセラを中心にどんどん生まれていきますので、応援よろしくお願いします!
(海川 まこと/漫画収集家)
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