AIが本命に指名したのはクロワデュノール(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、中山競馬場で皐月賞(GI)が行われます。
過去10年の皐月賞は5番人気以内の馬が7勝2着7回3着6回。複勝率は40%、単勝回収率63%、複勝回収率77%となっています。それほど特筆すべき数字ではありませんが、これは道悪になったレースも含まれています。馬場が悪くなると速いタイムが出にくいですし、道悪の巧拙が大きく影響します。道悪では馬場適性の比重が大きくなりますし、多少能力の劣る馬でも上位に来るケースがあるのでしょう。
しかし、今週末の予報を見ると雨が降る可能性は低く、良馬場での開催が予想されます。過去10年の皐月賞が良馬場で行われたのは6回。この6回では5番人気以内の馬は4勝2着5回3着5回。複勝率46.7%、単勝回収率67%、複勝回収率92%と数字は向上します。さらに前走が1番人気だった馬に限れば、3勝2着4回3着3回。複勝率55.6%、単勝回収率85%、複勝回収率107%と好成績を残しています。
今年の皐月賞で上位人気が予想されるのはクロワデュノール、サトノシャイニング、エリキング、ジョバンニ、ミュージアムマイルなど。この5頭は前走で1番人気だった馬。皐月賞が良馬場で開催され、この5頭の当日人気が5番人気以内だった場合は平穏な決着になる可能性も頭に入れておきたいところです。
はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。
◆世代ナンバーワンの能力馬
今週の皐月賞でAIが本命に抜擢したのは、上位人気が予想されるクロワデュノールでした。
週初の本命候補にも挙がっていた本馬ですが、最終追い切りや枠順発表後もその評価に変化はなく、AIも太鼓判を推しているようです。
クロワデュノールは昨年6月の新馬戦でデビュー。良血馬のアルレッキーノも出走していましたが、その馬を相手に2馬身半差で快勝。続く東京スポーツ杯2歳S(GII)では今年のきさらぎ賞(GIII)で優勝したサトノシャイニングを負かして重賞初制覇を達成。
前走のホープフルS(GI)では圧倒的1番人気で出走。道中は中団で折り合い重視の競馬。向正面で後方から捲ってきた馬をやり過ごしてから徐々に前へ進出。直線手前では前を射程圏に入れて、直線で鞍上が仕掛けると一気の加速であっという間に先頭へ。そのまま後続との差を広げて、2着に2馬身差をつけてGI制覇を達成しています。
このホープフルSの2着ジョバンニ、3着ファウストラーゼン、13着ピコチャンブラックは皐月賞トライアルで優勝。11着のマスカレードボールは共同通信杯(GIII)を優勝するなど、なかなかのメンバーが相手でした。その一戦でクロワデュノールは決定的な差をつけて勝っているのですから、世代ナンバーワンの能力馬と言っても過言ではないでしょう。
前走のホープフルS後は早々に皐月賞への直行を明言。近年の皐月賞では前年暮れのGIから直行してくる馬も珍しくはなく、20年コントレイルや19年サートゥルナーリアが優勝していますので問題はないはずです。
この中間は3月から乗り込みを開始。毎週のように併せ馬で負荷をかけられていますし、大一番へ向けて仕上がりに不足はなさそうです。前走で中山芝2000mを経験していることもプラス材料ですし、断然人気に応える走りが期待できそうです。