【フィギュア】“りくりゅう”「日本の力になる」2年間かけ挑戦「答えは出た」自己ベスト締め

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2025年04月19日 21:08  日刊スポーツ

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ペアフリー 華麗な演技を披露する三浦、木原組(撮影・宮地輝)

<フィギュアスケート:世界国別対抗戦>◇19日◇東京体育館◇ペアフリー



ペア結成6季目の三浦璃来(23)木原龍一(32)組(木下グループ)が、世界王者に輝いた1年を締めくくった。フリー145・06点で、ショートプログラム(SP)に続いて自己ベストで1位。コロナ禍での中止や故障などの影響もあり、世界選手権を含めた初のシーズン完走で、26年ミラノ・コルティナ五輪に弾みをつけた。女子フリーは主将の坂本花織(シスメックス)が3位、千葉百音(木下アカデミー)は5位。日本は合計110点で2位、米国が126点で2大会連続6度目の優勝を飾った。


   ◇   ◇   ◇


膝から氷に倒れた木原の隣で、三浦がよろけた。最終滑走。日本応援席からの「頑張れる!」コールに奮い立ち、出し尽くした。中盤でのサルコーが2回転になるなど伸びしろを残しつつ、見せ場のリフトなどで加点を得た。スケート技術などが評価項目の演技構成点は、全3項目で10点満点の9点台。24年世界選手権のフリー自己最高を0・71点更新し、三浦は「最後まで滑り込んできて良かった」と足跡に胸を張った。


種目の枠を超え、今や日本の大黒柱となった。“りくりゅう”として初出場した21年大会はSP、フリーともに3位。結成2季目の出来事だった。4季目の23年に初の世界一に輝き、今季も2季ぶりの世界選手権優勝。それでもペア転向12季目の木原は、自国開催の最終戦を前に謙虚だった。


「海外(カナダ)拠点で、皆さんの前で試合出場させていただく機会はなかなかない。あまり知らない方もいると思う。ペアに興味を持ってもらえるような滑りができたらと思います」


自身は五輪3大会連続出場中。14年ソチ大会から団体戦が採用されたが「ソチと(18年)平昌はシングルの方に引っ張っていただいていた」と回想する。団体の上位進出には男女、ペア、アイスダンスの総合力が必須で「(銀メダルの22年)北京からようやく『日本の力になる』と言えるようになった。『りくりゅうがいれば大丈夫だよね』となれたらいい」と一変した。


ミラノ・コルティナ五輪には、ウクライナ侵攻で国際大会から締め出されていた強豪ロシア勢の復帰が、1組のみ可能となる。団体戦こそ出場資格がないが、個人戦で脅威となる。今大会の自信は次につながる。


三浦 150点も夢じゃないと思う。


木原 2年間でいろいろ挑戦してきた。自分たちに合ったオーダー(要素の順番)の答えは出たと思う。


つかの間のオフで三浦は旅行を計画し、木原は焼き肉やすしを待ちわびる。心身を整え、4年に1度の大勝負へと進む。【松本航】

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