チャラそうなお兄さん、だけどピュア――。そんなギャップが魅力なラブコメ漫画が『あやしい癒しの八雲さん』だ。その番外編が『遊んでそうなお兄さんに恋してる話』としてXに投稿され、多くのいいねを集めている。
読んだらキュン必至な本作の着想、そして込められている想いとは何だろう。作者・綾野六師さん(@64_ayn)に話を聞いた。(小池直也)
――本作をXに投稿していかがですか?
綾野六師(以下、綾野):ありがたいことにコメントで「可愛い」や「癒される」、「早く付き合ってほしい!」など、八雲さんと比奈ちゃんを応援してくださるお言葉をいただくので、その辺りで刺さった方が多いのかなと感じております。
|
|
「八雲さんの手と腕だけの本がほしい」と言う声もありました。描いていて楽しいポイントでもあるので、より魅力的な手や腕を描けるよう頑張りたいです。
――このエピソードの着想について教えてください。
綾野:『あやしい癒しの八雲さん』の番外編として描いたのですが、今目の前にふたりがいたら、こんな感じのやり取りをしているだろうな……という日常の想像から広げていきました。
――『あやしい癒しの八雲さん』自体の制作の起点も気になります。
綾野:きっかけは「いつもイラストを見てくださっている皆さまに絵で何かお返しできないかな?」と考えていた矢先、ちょうど漫画を描く機会をいただいたことでした。
|
|
それから朝の通勤途中に「どんなお兄さんがいたら頑張れるかな……」と考えてみたところ、私に刺さる遊び人で胡散臭い(いい意味で)な糸目のお兄さんが誕生したんです(笑)。
さらに担当編集さんからの「ピュアなギャップがあるのはどうですか?」というアイデアもあり、最終的に遊び人な見た目とピュアなギャップのある可愛いお兄さんになっていきました。
――自身の理想を投影しているところがあるんですね。
そうですね。理想やフェチを盛り込んで描くと楽しいので、理想は投影されています。
――キャラデザインや作画でこだわっていることは何でしょう? 可愛い/カッコいいキャラを描く秘訣とは?
|
|
綾野:大事なのは「ここが好き!」というポイントを必ず入れて、描いている段階で自分が楽しかったりキュンとしたりニヤっとできるか。あとは時間が許される限り日を置いてから、納得いくまで加筆したり1コマ1コマ大事に描けるよう心がけています。
また「秘訣」と言えるかはわかりませんが、日頃から可愛い/カッコいいと思うキャラクター作品、好きだなと感じる方々をできる限りたくさん見るようにしています。
――シリーズ全体の物語作りで意識されていることは何でしょう?
綾野:ギャップは意識しています。また、つい平坦にお話を進めそうになるので、テンポよく読んでいただけるようにキュンとできるポイントを1話にひとつは必ず入れています。
――影響を受けた作家や作品などがあれば教えてください。
綾野:作家さんは何人もいらっしゃって、作品も沢山ありすぎて迷うのですが、江口夏実先生の『鬼灯の冷徹』が大好きで、特に影響を受けていると思います。元気が出ない時も、観ると一気に笑顔になれて最高です。
――今後『あやしい癒しの八雲さん』はどう描いていきますか?
綾野:ここまで片想いから両想いに発展しながらも、恋愛に不器用で結局「付き合う」という選択をせずにいたふたりがずっとこの距離のままでいるのか。そこを描いていけたらいいなと考えております。
――他にも展望などがあれば教えてください。
綾野:まずは、いつも観てくださって応援してくださったり、関わってくださる皆様に、描くことで何か少しでもお返ししていけたらと考えています。
まだまだ漫画家としては初心者で、運良く周りの皆様に見つけていただき、助けていただいたおかげでここまで描いてこれました。課題は山積みな状態ですので、成長してより楽しんでいただけるものを描いていけるよう、これからも頑張りたいです。
あと最近できた大きな夢なのですが、描いた世界がいつかほんの0.00001ミリでも現実の世界の平和に間接的に貢献できたりしたら最高だなと考えております。
(文・取材=小池直也)
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 realsound.jp 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。