VTuberら起用した「イナズマイレブン」新作に賛否 なぜ拒否反応? ゲーム好きマンガ家が考える“リスク”

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2025年04月20日 12:40  ITmedia NEWS

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 レベルファイブの人気サッカーゲームの最新作「イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード」(以下、イナイレ)の発売日が8月22日に決まりました。これに合わせてゲームの情報が色々と出てきたのですが、その中で作品に参加するゲスト声優陣が話題になっています。


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 今作には、YouTuberやVTuberら10人のゲスト声優が参加していて、プレイヤーは彼らが演じるキャラから5人を選び、自チームの仲間として使用できます。しかし、このゲスト声優に対し、否定的な意見がネット上で散見されます。


 今回の件に限らず、ゲームやアニメに有名人がゲストとして声優あるいはキャラクターとして作品に参加することに拒否反応を示す人は少なくありません。なぜでしょうか。


 ボクは、作品の世界観が壊れることに対する不安と、ゲストの有名人を目的とする新規ファンに対するアレルギーが大きな理由ではないかと考えています。声優ではないゲストのお芝居が浮いてしまい作品の質が落ちたり、そもそも作品の世界観にそぐわないのにゲスト本人が作品中に登場したりする作品は過去にもいくつもありました(マンガでは成功例、失敗例を含めいくつか作品を挙げています)。


 そんな失敗例を知っているのですから、不安に思うファンがいるのは仕方ありません。また、有名人を目当てに作品を手にする人たちの中には、作品そのものにそれほど興味を示さない人もいるでしょう。そうした新規ユーザーが軽い気持ちでゲームについて語ることを、作品自体が好きなファンは好ましく思わないかもしれません。


 他にも、単純にゲストが嫌いな人、つまり“アンチ”が攻撃することもあると思います。アニメやゲームにおけるゲストの起用は、大きなプロモーションになりつつも批判的な意見が出てきてしまうリスクと隣り合わせの施策といえそうです。


 個人的には、ゲストの起用自体にあまりアレルギーはなく、お芝居に違和感がなければ問題ないと考えています。ただ、やはり声を聞いた時にゲスト本人の顔が一瞬頭に浮かんだり、シリーズ続編が出たときにゲストが演じていたキャラの声や容姿が変わったりするのは正直、好きではありません。


 イナイレの場合は、PVを見た限り、ゲストのお芝居も基本的には素晴らしいと思いました。同様に、ネット上でも実際の演技を見た人の意見は肯定的なものが多いように思います。もちろん本番はゲームの発売後ですが。


 そのゲームに関しても、モードや登場キャラはボリュームがすごく、サッカーゲームとしてのシステムもかなりブラッシュアップされている印象で、正直面白そう。ボクは購入するつもりはなかったのですが、ネットの騒ぎをきっかけに内容を知り、今では手が出てしまいそうになっています。あ、これってプロモーション成功ですかね……。


●著者紹介:サダタロー


1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。


●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場


漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。



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  • 無駄に版権を複雑にして、販売期間が限定されたり将来のリメイクやリマスターが難しくなったりという自滅行為でもある。
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