「超スポ根じゃん!」TVアニメ放送で話題の『ウマ娘 シンデレラグレイ』熱血展開すぎる原作漫画の魅力

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2025年04月21日 08:00  リアルサウンド

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  4月よりTVアニメの放送が始まり、大きな話題を呼んでいる『ウマ娘 シンデレラグレイ』(以下『シングレ』)。タイトルに『ウマ娘』と冠しているため、“ファン向け”のアニメ化に見えるかもしれないが、実際には万人の魂を震わせるポテンシャルを秘めているものと思われる。というのも同アニメの原作となっているのは、超が付くほどの熱血展開を連発するスポ根マンガだからだ。



 『シングレ』は、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』から生まれた作品。有名競走馬の名前と魂を受け継いだ“ウマ娘”たちがレースを繰り広げる、という基本的な設定は他作品と共通している。


  とはいえ、ここではひとまずそうした背景情報は脇に置いておこう。予備知識の類が一切なくても、『シングレ』の面白さは十分に理解できる。


  物語の主人公・オグリキャップは大食いで、普段は天然めいた雰囲気を漂わせている少女。しかし実はレースにかけてはとんでもない才能の持ち主で、後に“怪物”と呼ばれるほどの存在になることが示唆されている。


  そんな彼女が「カサマツトレセン学園」というウマ娘のためのトレーニングセンター学校に入学したことから、物語は動き出す。この学園は岐阜に位置しており、ほとんどの生徒たちはローカルシリーズ、すなわち「地方」のレースで活躍することを目指している。「中央」と呼ばれるトゥインクル・シリーズとは環境に大きな差があるようで、講師の口から「レベルが違う」という言葉が出てくるほどだ。


  地元のレース場もあまり盛り上がっていないらしく、観客は少なく、どこか場末感が漂う環境だ。トレーナーの北原穣はそんな現状に強い失望を覚えており、心の底から応援したくなるような“スター”が地方に誕生することを願っていた。


  そこで「カサマツトレセン学園」の新入生を見物しにやってきた際、オグリキャップの並々ならぬ才能を見せ付けられることに。将来スターになる逸材だと確信した彼は、「俺と一緒に天下を取らないか!?」とスカウトを行うのだった。


  当初はただの変わり者として侮られていた少女が才能を開花させ、地方から中央へと成りあがっていく過程は、まさに王道と呼ぶべきストーリーで、たまらないワクワク感がある。


  また、登場人物のほとんどが闘争心剝き出しで、貪欲な態度で勝利にこだわっていることも同作の大きな特徴だ。自身の全存在を賭けて速さを追い求めるからこそ、彼女たちが激突するレース本番は、尋常ではない“熱”が渦巻くことになる。


アニメでも再現? 迫力に満ちたレース描写

  さらに『シングレ』ならではの魅力となっているのが、迫力に満ちたレース描写。作画を担当する久住太陽は力強いタッチの漫画家で、人物描写もあまり美少女キャラ的ではなく、どちらかといえば野性的な描き方だ。


とくにレース中に闘志を燃やす姿において、その持ち味は最大限に発揮される。連載が始まった当初はやや控えめな表現だったものの、物語が進むにつれて熱量を増していき、ときには読者に恐怖を感じさせるほどの迫力を生むことに。鋭く光る眼光、滝のように流れ落ちていく汗などと相まって、まるで命の奪い合いをしているような雰囲気だ。


 こうした原作の魅力を再現するためか、今回のアニメ化では、スタッフが「かわいさ」より「熱さ」を重視していることが見て取れる。第2話で描かれたフジマサマーチとオグリキャップの一騎打ちでは、原作さながらの鬼気迫る表情が描かれており、フジマサマーチがスパートをかける瞬間に瞳が血走っていく演出も再現されていた。


 また今までの『ウマ娘』のアニメでは、OP曲は主人公格のキャラクターを演じている声優が歌うのが通例だった。しかし『シングレ』では、ロックバンド[Alexandros]による疾走感あふれる楽曲『超える』が主題歌となっている。



  その一方でED曲は「オグリキャップ(CV.高柳知葉)」が歌っているものの、作詞・作曲はロックバンド・リーガルリリーのたかはしほのかが担当しており、青春の切なさを感じさせるような楽曲となっている。



  こうしたOP、EDの布陣ひとつとっても、同作を万人向けのスポ根アニメとして多くの人に届けようという制作陣の意気込みが感じられる。 


  「いわゆる美少女コンテンツは少しニガテ……」という人も、騙されたと思って作品に触れてみてはいかがだろうか。



 



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